「自由からの逃走」の更新の横でこそこそ更新している読書日記です。
今回のテーマはアイディアや意見の交換を活発に行う組織を作るために必要な要素についてです。
アイディアや気づいたことを発言したいと思うけれど、中々勇気が出ずに発言の機会を逃してしまったという経験は多くの人にあると思います。
この状況を改善するために個人の意識の改善というのは1つのアプローチですが、それはすべて個人の責任なのでしょうか?
発言しづらい空気を作り出している組織の環境にも要因があるのではないかというのが今回のポイントです。
この要因が何であり、この要因を解消すると何が起きるかを学ぶことで、自分の所属する環境をメンバー全員が自分らしさを発揮できる環境に変えるきっかけをつかむことが今回の記事の目的です。
目次
今回の本
今回取り扱う本はエイミー・C・エドモンドソン氏の「恐れのない組織-「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす」(訳:野津 智子氏、解説:村瀬 俊朗氏、英治出版)です。
「心理的安全性」とはあまり聞きなじみのない言葉かもしれません。
というか、私もこの本に出会うまでは知らないキーワードでした。
しかし、実はこのキーワードは非常に関心が高まっており、最初にこのキーワードを提唱した1999年の筆者による論文の引用回数は2021/1/4現在で8,810回となっています。
比べるのもおこがましいですが、私の唯一参加した論文の引用回数は2回なのに・・・笑
英語だとpsychological safetyといい、ヒット件数は4,790,000件もの数に上ります。
なぜこの「心理的安全性」が注目を集めており、「心理的安全性」があると組織にどのような効果をもたらすのでしょうか?
筆者について
エイミーC・エドモンドソン氏はハーバード・ビジネススクールの教授で、2011年以来経営思想家ランキング「Thinkers50」に選出され続けています。最新版の2019年でも選出されているようですね。
一回選出でも凄そうなランキングですが、連続選出とは実績が恐ろしいですね笑
リーダーシップ、チーム、組織学習の研究と教育に従事しており、Ted talkではチーミングについての講演があります。
チリで事故により地下800メートルに取り残された33名の鉱夫が無事に救出された事例を用い、困難に対して柔軟に対応するチームをいかに瞬時に作り上げることができるかを解説しています。
分からないことを分からないと素直に認めメンバーに意見を求める謙虚なリーダーと、状況の解決のために強い関心を示しアイディアにあふれたメンバーの重要性が示唆されています。
こちらも組織やチームの在り方について参考になる内容なので気になる方は是非!
概要
組織がメンバーの力を活かすには
組織というのは人の力を最大化するために非常に大きな役割を持ちます。
変化が激しく専門性が細分化された現代では、困難な問題を解決するにはチームの力が必要です。
しかし、その反面、組織はわずらわしい人間関係があったり、周りに流されて自分の意見を上手く言えなかったりで、個人の力を十分に発揮することができなくなる要因となる一面もあります。
個々の力を十分に発揮できる組織に必要なものはなんなのでしょうか。
心理的安全性の発見
筆者はこのような環境を作るために最も重要な要素として「心理的安全性」を提唱しています。
筆者はチームワークがミスの多さにどう影響するかについての研究(無料で読めます)で、チームワークがいいチームほどミスが多いという予想外の結果に出会います。
そしてそこから、チームワークが良いチームほどミスが多いのではなく、ミスの報告が円滑に行われるのではないかという仮説をひらめきます。
その後「ミスについて話せる」と感じられるかという項目を足した追加研究により、優秀なチームではミスの可能性について率直に議論されており、それを回避するための検討まで発展するケースも多かったことが確認されました。
心理的安全性とは
筆者は、このミスを含めて自由に意見や気づきを共有できる組織の風土の特徴を「心理的安全性」として下記の通り定義しています。
心理的安全性とは、大まかにいえば、「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のことだ。より具体的に言うなら、職場に心理的安全性があれば皆、恥ずかしい思いをするんじゃないか、仕返しされるんじゃないかといった不安なしに、懸念や間違いを話すことができる。
恐れのない組織-「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす p14-15
「自分の意見は職場で価値を持っている」という回答の多さが、離職率と事故の割合の低下、そして生産性の上昇と相関している調査も本書で紹介され、自分の意見が組織に受け入れられることの重要性がわかります。
組織はメンバーの考えを最大限に生かした方がよりアイディアは洗練されますし、懸念や心配についても早い段階で指摘をした方がその被害を最小限に出来ます。
そのため副題にある通り、「心理的安全性」は失敗からの学びによる学習、活発な議論によりイノベーション、そして組織全体の成長を組織にもたらします。
実際にグーグルによる研究「グーグルで有能なチームになるための五つのカギ」に見出された五つの成功因子のうち、心理的安全性の重要性は群を抜いており、他の四つの因子の土台であることが示唆されています。
世界一創造性にあふれる会社の1つであるグーグルが、有能なチームの条件は「心理的安全性」が無いと始まらないと考えていることがわかります。
心理的安全性の特徴
心理的安全性の特徴としては、人同士のやり取りではなく、各チームに宿るという点です。
ただチーム内の一部の人間が自由に発言できる環境では不十分で、チーム全体としてそれぞれの意見を尊重し受け入れる環境が重要となります。
個人間の自由な発言が出来る条件は信頼であると、筆者は「心理的安全性」と明確に区別しています。
そのため、チームのメンバーが変わっても「心理的安全性」の文化は保たれます。
これは変化が激しく流動的なチーム編成が求められる現代において、 「心理的安全性」 という環境はメンバーが即座に能力を発揮するために重要な要素となります。
また、同じ組織の中でも、チームごと「心理的安全性」の程度が独立していたことから、その重要な要素はリーダーにあると筆者は下記の通り指摘します。 本データを支持する「心理的安全性」を提唱した1999年の論文
心理的安全性は単なる職場の個性ではなく、リーダーが生み出せるし生み出さなければならない職場の特徴だということである。
恐れのない組織-「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす p37
そのため、恐れのない組織を作るために、社長等の高い役職は必要は無く、よりリーダーという幅広いポジションであれば、自分の所属するチームに「心理的安全性」をもたらし、より良い組織を作るためのキーパーソンとなれる可能性が示唆されます。
心理的安全性による個人の人生への影響
自分の意見が発言できてそれが尊重される環境にいることは自分らしく生きるという観点でも大事な要素です。
自分の言動に対して厳しい批判や拒否される環境にいると、何をするのも怖くなり考えやアイディアを自分の中に隠したくなる衝動が生まれます。
これは組織の財産となるはずであったアイディアや気づきが失われることとなり、所属する組織にとっても損失となりますが、個人としても自分の能力を活かす機会を失うため、やりがいや前向きなモチベーションを失う原因となります。
会社やコミュニティで自分の存在意義が分からない場合、その原因は自由な発言や行動、挑戦を妨げるような環境にあるのかもしれません。
章の構成
本書は3つの部に構成されており、第1部では心理的安全性について、どのように見つかったのか、何を意味するか、何が期待できるかを説明します。
第2部では心理的安全性が無い組織ではどのような危険性があるのか、心理的安全性があると組織へのどのような効果が期待できるのかについて、4つの側面に分けて紹介されます。
ここは実例を多く引用した章となります。
第3部はこれまでの内容を踏まえ、そのような心理的安全性がある組織を作るためのアイディアを第7章で紹介し、第8章では総括と最新の情報共有により締めくくられます。
- はじめに
- 第1部 心理的安全性のパワー
- 第1章 土台
- 第2章 研究の軌跡
- 第2部 職場の心理的安全性
- 第3章 回避できる失敗
- 第4章 危険な沈黙
- 第5章 フィアレスな職場
- 第6章 無事に
- 第3部 フィアレスな組織をつくる
- 第7章 実現させる
- 第8章 次に何が起きるのか
本書を読む上で
ここで少し個人的な感想ですが、あまり馴染みのない言葉や会社が多かったためか、読むのに結構苦労しました。
特に第2部の実例部分については1日に20pくらいしか読み進められませんでした。
同じように中々読み進められないと感じた方は、第2部を飛ばして第3部の実践部分を先に読んだ方が理解しやすいと思います。
その後に興味があるポイントについて第2部に戻り、主張を支持する実例データを確認するという順番の方が効率がよかったなと反省しています。
解説を先に読むのも一つの手
また、村瀬氏による解説が重要なポイントを簡潔にまとめているので、そちらを先に読んで全容を掴むのもお勧めです。
特に心理的安全性という言葉に馴染みがない方は、この言葉が何を意味をするのか、信頼と何が違うのかを整理してから読み始めることで、内容の理解度をあげることができるでしょう。
読むのをオススメしたい方:組織での活動を求められる方
題名からしても、組織での活動が必要な方には役に立つ本となるでしょう。
その一方でソロワークしか行わない方にはあまり参考にならない本かなと思います。
ただ、現代で何かを成し遂げようとするればチームや協力が必要になります。
ソロワークのように見える仕事も、創造性が求められる仕事は多くあり、何気ない意見が参考になることもあるでしょう。
そのため、この本の情報が参考になる方はタイトルからの印象よりも多いのではと推測します。
読んで感じたポイント
一番印象に残ったポイント: 失敗の種類
心理的安全性は目標を低くするのではないか?
心理的安全性がある組織の特徴として、失敗が許容される点があげられます。
この特徴があるからこそ、他人からの批判を恐れずに自分の意見やアイディアを公言できるようになりますし、自他のミスや問題点を早期に指摘し改善へと議論を進めることができます。
ただし、失敗を闇雲に許容する文化では、目標設定が甘い職場になってしまうのではという懸念があります。
失敗の種類
ここでこのような懸念を回避する1つの鍵は、失敗を分類して定義づけすることで、本書では下記のように分類されています。
このように分類することで、推奨すべき失敗と回避すべき失敗を分類することができます。
個人を責めないという点は共通ですが、求められる行動は失敗の種類により異なります。
この失敗に対する適切な取り組み方について、チームの中での認識を共有することができます。
前者の二つは回避するために懸念されるリスクや状況の変化について、早期に情報を共有することが求められます。
また、賢い失敗については、成果の品質向上のために推奨されるムードを組織に作ることができ、挑戦する恐怖を取り除いてくれます。
ただ失敗と聞くとネガティブなイメージがありますが、このように名前を付け替えることで、推奨する失敗に絞ってポジティブなイメージをつけることができます。
同じ出来事でもその捉え方により人に与える影響は大きく異なります。事実を自分の好ましいものに変えることに比べ、認識と捉え方を変えて自分たちへの影響をポジティブなものへ変えることは容易です。
このように失敗の分類は、失敗への取り組み方を分かりやすくするという効果があります。
どの失敗が推奨されて、どの失敗が回避すべきか認識を共有することで、チームを理想的な方向性に導くことが可能となります。
回避できない失敗は許容されないので、目標を下げることにはつながらず、むしろ品質やチームの成果の向上につながります。
業績基準を高く設定する
また、あわせて重要なのは業績基準が高いことであり、心理的安全性と組み合わさることで学習を促し高パフォーマンスをもたらすと筆者は主張されており、こちらも重要なポイントとなります。
心理的安全性は、正直かつ率直に話すことを可能にし、ゆえに互いに尊敬し合う環境において確立される。つまり、人々は職場で率直になれるしならなければならないと思うようになる。実のところ、心理的安全性は野心的な目標を設定し、その目標に向かって協働するのに有益だ。
恐れのない組織-「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす p43-44
「心理的安全性」がある組織では、個人が尊重されることでメンバーのモチベーションも高く維持されるので、組織としての高い目標設定に繋がることが推測されますね。
面白いと感じた点: 傾聴力が雰囲気づくりにも影響する
コミュニケーションや教育で傾聴力が重要であることは度々目と耳にしておりましたが、組織の雰囲気づくりにも貢献するという点は勉強になりました。
ドラマ等で取り上げられるリーダーは、適格な指示をメンバーに出す姿が一般的で人気があったかもしれません。
このようなステレオタイプな姿はかっこよく映り、憧れとなる部分もありますが、部下との距離感や上下関係の明確化を生み、考えや本音を抑圧する原因ともなります。
しかし、変化が激しく専門性が細かく分かれた現代では、全てを1人の力で判断するのは限界があります。
メンバーの専門性と個人のアイディアを活用しチームの成果を最大化するには、それぞれの考えや本音を引き出す謙虚な傾聴の姿勢が重要になります。
自分の無知を認めメンバーに質問をすることは自分の弱さを見せるようで抵抗があるかもしれません。しかし、この姿勢はメンバーからは思慮深く聡明に映ると筆者は指摘します。
本物の質問には、相手を敬う気持ちがにじみ出る。それは心理的安全性に欠かせない側面である。また、一般に信じられているのとは反対に、質問をするリーダーは無能ではなく、思慮深く聡明に見える。リーダーのツールキットには、よい質問をするための鉄則もそなわっている。一つ。あなたは答えを知らない。二つ。イエスかノーの答えを求めるような質問をしない。三つ。相手が集中して考えを話せるように尋ねる。
恐れのない組織-「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす p212
人間は自分が話したいという欲求やリーダーとして弱いところを見せたくないというプライドがあるため、この傾聴の姿勢とスキルは継続的に意識して身に付けていく必要がありますね。
傾聴については「聴く力」を網羅的に勉強できる「Listen」の読書日記もまとめましたので、こちらもご参照ください!
失われつつある聴く力を取り戻そう!行動に取り入れるなら?
マネジメントの立場にいる方
組織の雰囲気を作るキーパーソン
自由な意見を交換しリスクや問題を早期に対処し、創造的なアイディアが生まれるチームを作るためのキーパーソンはまさしくあなたとなります。
本書の第7章の内容が直接参考になるでしょう。是非本書をご一読いただければと思います。
取り組みでの注意点ですが、立ち振る舞いを急に変えることはメンバーに不信感や抵抗を生む可能性があるため、どのような環境を作ろうとしているかという目標とその目的をメンバーに事前に共有することが大事であると個人的に考えます。
また、共有のみでなく日々の業務で求められる行動をしたメンバーをしっかり褒めて、その行動を強化することが重要です。
後輩指導をしていて、自分の期待通りに後輩が対応してくれた時、「当たり前」だと思い何も言わないのか、褒めて継続をしてほしい旨を伝えるのかでは、その後の反応が大きく異なりますね。
また、表面的な推奨のみではなく、実際の評価との整合性も重要になるでしょう。
失敗やその早期報告が推奨されていたはずなのに、失敗の数が減点となるもしくは評価されないのでは、メンバーのモチベーションは維持しません。
自分が評価する立場にいない時は評価者とこの心理的安全性の考えを共有し、推奨される行動に対して適切な評価がなされるような働きかけが重要になると考えます。
心理的安全性は管理職に必要なスキル
逆にメンバーの率直な意見が分からない、中々本心が見えないという状況であれば、その雰囲気を作り出しているのは自分かもしれません。
出世は、組織の上を目指し階段を昇るようなイメージを持つ方も多いと思いますが、地位を上げることに執着するとその過程で元々自分がいたポジションとの距離が広がる危険性が高まります。
「心理的安全性」の重要性を認識することで、このような乖離を回避し、メンバーが能力を発揮できる環境・文化を作ることも、変化が激しい社会で創造性が必要な現代の管理職に求められるスキルとなります。
マネジメントの立場にいない方
環境の雰囲気はメンバー全員で作るもの
心理的安全性がある組織を作るのにリーダーの影響が大きい点は上記で触れた通りですが、全ての責任が上司にあるわけではありません。
当然ですが雰囲気は所属するメンバー全員で作るものとなり、どの立場からも組織の心理的安全性を生み出す働きかけが可能です。
「心理的安全性」という考えをチーム内で共有することも大事なアプローチとなり、リーダーの共感を得られれば、非常に頼もしいものとなるでしょう。
もし、リーダーの共感を得られなくても、その他のメンバーの共感を得られれば、そのような環境をメンバーからのボトルアップで形成していくことが期待できます。
また、もちろん自分の行動を変えていくことも必要なアプローチとなります。
しかし、環境によっては弱さを見せたり失敗を覚悟した挑戦をする最初の一人目となるのは抵抗やリスクが大きい場合があると考えます。
そのような場合、他者の失敗や弱点を許容する姿勢に変えるだけなら、心理的抵抗やリスクは抑えられ、心理的安全性を生み出すための具体的な行動の第一歩となるでしょう。
その上で、周囲への手助けへの関心を示す姿勢が、周囲の本音を引き出すためのより具体的なアクションと考えられ、本書では下記3つの質問がそのためのアプローチとして紹介されています。
- どんな手助けができますか。
- どんな問題にぶつかっているのですか。
- どんなことが気がかりですか。
これらは普段の会話の中で、自然と取り込むことができる質問であると考えます。
まずは自分が与えるという姿勢を示すことが、コミュニティを自分の望むものに変えるための大事な一歩となるでしょう。
リーダーは役職に縛られない
また、今たとえマネジメントや組織の在り方を決める立場でない人でも、下記のような心強い言葉が本書にあります。
ここで、次のことをはっきりさせておきたい。リーダーになるのに、上司である必要はない、と。リーダーの仕事は、最高の仕事をするためにすべての人が必要とする文化をつくり育てることだ。そのため、その役割を果たしているときは常に、あなたはリーダーシップを実践しているのである。
恐れのない組織-「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす p248
この言葉は環境への影響を与えようとするのに、チャンスを待つ必要がないということを再認識させてくれます。
また、「心理的安全性」は今後ますます求められる要素となると予想されるため、現在からそのような環境を作るために積極的に取り組むことは、今後求められる重要なリーダースキルの一つの習得に繋がるでしょう。
このスキルはどの組織でも活用できるものであるため、今後のキャリアや人生で組織の成果や個人の存在価値を高める続ける頼もしいスキルとなるでしょう。
終わりに
自分の意見を発言する、間違いを指摘するという行為は、周りの目を気にすると個人的にとても勇気がいるものでした。
自由に発言して、議論に切り込んでいく一部の方々がうらやましく感じ、中々変われない自分に苛立ちを感じ、毎回心をすり減らしながら自分の思考パターンの変化を待つしか対処法がないのかと悩んでいました。
もちろん、高い目標への挑戦や十分なコミュニケーションへの個人としての取り組みは重要であり、全てを環境のせいにするのは問題でしょう。
ただ、本書を通じて全ての理由が自分ではないという点に安心を感じ、また、その対処法として、組織の雰囲気への働きかけという新しいアプローチを学ぶことができました。
メンバー全員の力を合わせ成果物の質と速さを向上し、組織・社会に対してそれぞれが能力と自分らしさを活かして貢献できていることを実感できる環境を整備するため、「心理的安全性」という考えを自分の所属する組織に取り入れようと挑戦する予定です。。
ポジション的にサブプロジェクトの小リーダーを担うときも増えてきたので、リーダーの立場とリーダー以外の時の立場の両面で心理的安全性がある組織を作るためのアプローチをとるという方針を作れました。
その上で、本書はこの考え方をメンバーと共有したり、心理的安全性を作れない状況を打破するためのヒントを得るために活用が可能です。
第7章の実現するはがわずか39ページしかないので、実現のための細かいアプローチは今後の研究を待たなければいけない点もあると思います。
個人的には、この「心理的安全性」という概念と効用を組織に浸透させるのが、まず取り組むべき課題かなと感じます。日本ではまだまだ聞きなじみがない言葉と考えるためです。
また、逆にこの実現のためのアプローチを整備できれば、他社との差別化につながる継続的な文化が作れることも意味すると思います。
皆様の所属する組織には心理的安全性はあるでしょうか?ないならどうすればそのような環境を整備できるでしょうか?
状況によっては所属する組織を変更することも選択肢となるでしょう。
また、すでにあると感じている場合、その環境を更に活用するにはどのような取り組みが効果的でしょうか?
本書では仕事や社会的活動という側面で議論が進められていますが、「心理的安全性」はプライベートのコミュニティでは家族や友人等とのお互いをより尊重した関係性を築く上でも重要な視点と考えています。
この記事がこれらの環境を整備する上での検討のきっかけとなりましたらうれしいです!
それではまた次の記事で!