どうもです!
あなたは「社会人基礎力」という言葉を耳にしたことがありますか?これは、経済産業省が提唱する、仕事や社会生活において必要とされる12の能力要素の総称です。特定の職種や業界に依存せず、あらゆる社会人が共通して求められる基本的な力を指しています。

しかし、「12の能力要素」と聞くと、「そんなにたくさんあるの?」と少し尻込みしてしまうかもしれません。でもご安心ください!これらはどれも、日常生活や仕事の中で少し意識するだけで身につけられるスキルです。
このブログでは、それぞれの能力要素が具体的にどんなスキルを指し、どうやって鍛えればいいのかをわかりやすく解説していきます。
今回は「前に踏み出す力」に分類されている「実行力」がテーマです!

「やりたいことをなかなか行動に移せない……」そんな悩みを抱えたことはありませんか?
仕事でも日常生活でも「実行力」の差が結果を大きく左右することを、私たちは経験的に知っています。実行力とは、計画を実際の行動に移し、結果を出すための力です。
今回は、実行力が具体的にどのようなスキルで、どのような場面で求められるのか、そして実行力を鍛えるための具体的な方法と注意点をわかりやすくお伝えします。
「やるべきことが自然に行動に移せる自分」へ変わるためのヒントを見つけていきましょう!
実行力とは?
実行力とは、計画や目標を単なる「アイデア」で終わらせず、行動を通じて結果を出す力を指します。この能力の発揮例としては下記があげられます。
- プロジェクトマネージャーとして予算内かつ期限前にプロジェクトを完了し、顧客満足度向上を実現
- 旅行に行きたいという子供の願いに対して、全員が満足するトラブルなしの旅行を実現
- 自身にとって必要な資格を特定して、計画通りに資格試験を突破
このスキルは、ビジネスの世界ではもちろん、自己成長や日常のタスク管理においても重要です。実行力がある人は、たとえ完璧な計画がなくても、行動を繰り返しながら修正を重ね、最終的に大きな成果を導きます。
実行力が持つ力
実行力が求められる場面
実行力は、仕事に限らず以下のようなさまざまな場面で求められます。
- 仕事での目標達成
プロジェクトを成功させるため、計画通りにタスクを実際に進める上で実行力が役立ちます。計画を立てるだけでは成果は上がらず、実際に行動に移す力が必要です。 - 問題解決
問題を放置せずに解決するための第一歩を踏み出す力が実行力です。考えた問題解決策を実際に行動に実現する上で実行力が必要となります。 - 自己成長
スキルアップにも実行力は役に立ちます。成長には継続的な試行錯誤の積み重ねが必要となり、実行力はその積み重ねの基盤になる力です。
このように実行力は成果や成長を実現するために欠かせないスキルと言えます。また、計画実行や問題解決はチームでの協働の目標達成にも必要となるため、チームで働く上でも必要な力となります。
実行力によるメリット
実行力が備わっている人にはどのようなメリットがあるかをより具体的に見ていきましょう。
- 目標達成能力によりやりたいことが実現できる。目標達成により周囲からの信頼も得られるので、重要なプロジェクトや責任ある仕事を任される機会が増える。
- 直ぐに学習と実践に行動を移すことで、行動とフィードバックを高頻度で繰り返すことができ、自分の能力がどんどん向上する。
- その姿勢から周囲へのポジティブな影響(チームの士気向上、新しいアイディアを直ぐに試す文化の定着)を生み、周囲をより働きやすく成果を出しやすい環境へ改善できる。
実行力があることで、個人の目標達成や成長のみでなく、問題解決や目標達成により組織への大きな貢献に繋がります。また、その継続して成果を出すために行動を積み重ねる姿勢は周囲の人のモチベーションや行動力を引き上げるという副次的な効果も期待できます。

個人的には成長の力が大きいと感じています。毎日新しい取り組みに挑戦し続けている人と実行に中々移せない人では、人生レベルでの経験値や学びの機会の差は莫大なものとなるでしょう。
実行力はその人の存在感の軸となる非常に重要なスキルといえるでしょう。
実行力が無いことによるデメリット
逆に実行力が無いとどのようなデメリットが考えられるでしょうか?
- 目標が達成できない経験の繰り返しで自信を失い、次の挑戦への一歩を踏み出しにくくなる。結果、増々実行力が低下する。
- 実現したものが限られるので周囲からの信頼や発言の説得力が低下する。
- アイディアがあっても形にできない。問題を抱えたままになるので、ストレスや後悔が増える。
- 行動量・挑戦の不足により、学びや気づきを得る機会が減り学習効率が下がる。周囲からの信頼もないので挑戦・学びの機会も減る。結果として成長が困難になる。
実行力の欠如は、自信や機会の喪失により更なる実行力の低下を生む負のループを生みます。また、目標未達や信頼の低下だけでなく、長期的には自己成長や組織の競争力低下にもつながります。
逆に実行力を磨くことで、目標の達成と持続的な成長が可能になります。
実際に鍛える方法、実践するために
以上、実行力とは何なのかについて考えてきました。それでは実行力とはどのように鍛えればいいのでしょうか?
「実行力」自体はイメージしやすいのですが、どのように鍛えるかを考えようとすると取っ掛かりが掴みにくいかもしれません。
実行力を構成する要素
実行力を鍛えようとなると、「とにかく行動!」という根性論になりがちですが、それでは実践も継続も難しいと思います。そのため、」このブログでは実行力を更に分解して考えていこうと思います。

まぁしのごの言わずに行動あるべしという根性論が、そのまま成長に繋がるスキルでもあるのですが笑
- 意思決定力:何を優先すべきかを判断し、次の行動を決める力。
- 計画実行力:具体的なステップに落とし込み、それを粘り強く実行する力。
- 継続力:途中で諦めず、結果が出るまで取り組む力。
- 問題解決力:実行の過程で必ず発生する障害や問題に対応する力。
- コミュニケーションの力:周囲と連携などのチームでの実行に必要な力。
- 修正力:実行後に結果を分析し、次の行動に生かす力。PDCAでいうCA部分。
コミュニケーションの力は働きかける力も含めて他の能力要素に関わる力なので深堀はそちらに任せつつ、実行力として独立した要素に特に着目して、それぞれを鍛える方法を考えていきましょう!
まず今回は、意思決定力と計画実行力を取り扱おうと思います!
意思決定力
まずは意思決定力です。行動力と聞くと動く力にフォーカスが当たりがちですが、目標を達成するには取り組むべき大事なことを決める意思決定の力も重要となります。
時間は有限であり、何かをするということは、同時にしないことを選択していることを意味します。あれこれと色んなものに時間を分散していては、一定以上の知識やスキルの獲得は困難となりますし、時間の過ごし方により得られる経験値は大きく異なります。

将来の自分の糧にならないダラダラとネットサーフィンしている時間も、自分自身で選択した結果となります。
自分の時間をうまく活用して成果を上げるためには、自分にとって何が大事であるかを特定し、その対象に時間を集中することを決断する力が必要です。
自分の軸を見つける
意思決定の力を身につけるには優先順位付のための自分の軸が重要となり、自分の軸の見つけ方として、MCWの輪を主体性の回で紹介しました。
また、今の自分に必要なものを考えるためには長期的に人生を考える視点も必要となります。将来自分がどうなりたいか、何をしたいかという人生レベルの目標を考えることで、持続的な成長や充実感の大きい成果の達成に繋がります。
自分の目指す理想を考える
長期駅な視点を磨くには、自分の理想となる姿(人生レベルの目標)の設定が役立ちます。この設定の上で助けとなるのが自分への問いかけで、過去と未来という観点で下記のような問いかけをしてみると自分にとっての理想が見えるきっかけとなります。
- どのような人に憧れてきたか?どのような点に惹かれたか?(過去)
憧れている人は、あなたにとっての理想な要素を持っている可能性があります。どうしてその人に憧れたかを考えることによって、どのような人になりたいと潜在的に考えているかを自覚する助けになります。
これは自身の領域に限定しません。私は横浜DeNAベイスターズの筒香選手に憧れています。しかし、野球選手を目指しているわけではなく、自分の成績ではなくどんな形でもチームの勝利に導く存在を目指す姿に憧れており、そのために何が必要かを考えています。
また、憧れが身近にいる可能性もあります。組織の中で目指す存在がいれば、取り組みや姿勢を細かく見る機会がありますので、自身の行動の参考にできる要素が多いでしょう。 - 将来葬式でどのような弔辞を読んで欲しいか?(未来)
この問いかけは、人生どのように過ごしていたいかを考える上で非常に有効な質問です。目標や計画を立てる上では終わりから考えることが有効であり、この問いかけは死の瞬間にどのような存在になっていたいか、どのような人生を積み上げていたいかという自分の理想を明確化することに繋がります。
あなたは葬儀で周囲の大事な人達からどのような言葉を掛けられる存在になりたいですか?
計画表によりステップを考える
自分の理想を考えたら、どの時期にどんな状態になっていたいか、人生の計画表を立ててみましょう。計画表を作ることで次にどのようなステップが必要で、そのためには何が必要であるかを明確化できます。
ポイントとしては長期的な部分は変更や調整を前提に抽象的にし、5から10年間の短期的な部分を細かく分けて具体的にすることがあげられます。情報や支えるツールの進化のスピードは目覚ましいものがありますので、実現できることやアプローチは大きく異なるでしょう。長期的な計画において、特に方法・手段という部分は曖昧にしておくことで、手段と目的の逆転や効率の悪い取り組みを回避できます。
逆に最初の5年間は半年後、1年後、3年後、5年後と細かく区切ってチェックポイントを具体的に設定すると今取り組むべきことを考えやすくまた必要なステップを進めているかの評価もしやすくなります。

大きな目標も小さなステップに刻むことで、取り組むべきことが明確化するとともに、達成できる姿をイメージしやすくなるため、意思決定がより容易になります。
人生は思いがけないことの連続ですので、計画を定期的に振り返り修正するPDCAサイクルを回して、最初の計画にこだわり過ぎずに調整を前提にすることも重要となります。
意思決定に踏み出す
軸を決めることは意思決定の助けとなりますが、実際の意思決定が伴わなければ意味がありません。
意思決定の力を鍛えるには、やはり実際に意思決定の機会を増やすしかありません。その上で取り組むポイントを下記に整理します。
直感力を鍛える
意思決定の上では脳の自動処理の力も侮れず、直感の力も重要です。論理的に考えているつもりでも頭の中の説明や根拠は後付けによるもので、実際は無意識の力に頼っている部分が多くあるためです。
また、ビジネスを含めた現実社会では、完全な情報が揃う場合の方が稀であり、完全に論理的に判断を進めるのは不可能です。どうしても直感の力に頼らざるをえないのが実情です。
直感を鍛える方法として意識的に、例えば2秒ほどの短時間で意思決定をする練習があげられます。対象はリスクが少ないランチのメニューであったり、休日の過ごし方などが良いでしょう。この短時間での意思決定の繰り返しにより、直感的な判断を習慣化することができます。
そして、この決断について、どの点がうまくいったか、失敗したかを振り返ることで、成功するパターンや見落としやすいポイントを確認でき、結果的に直観の質の向上が期待できます。
また、直感は過去のパターンの再利用となるので、過去のパターンが頭の中でどれだけ整理できているかも直感力の質に繋がります。パターンを整理しパターン認識力を鍛えることが直感を磨くのに有効です。
具体的な方法としては経験の中で原因と結果の共通点を探す習慣があげられます。
成功や失敗のパターンを把握しておくことは意思決定の質に影響します。例えば複数の事例から「成功したプロジェクトの共通点は何か?」と考える練習が役に立つでしょう。

歴史を学ぶ上でもただ事実を暗記するだけでなく、その背景の経緯や理由を教訓とできるまで深掘りすることで実生活に役立つ知識を身につけることができます。
ここで読書等で他者の経験も活用できると、パターンはグッと広がります。また、単純なパターンのみでなく、その理由や背景も結びつけて理解をすることで意思決定の質は更に上がるでしょう。
一方で前述の自分の長期的な軸を決めたり、大きなリスクが伴う決断をする際にはしっかり時間を掛けて考えることも重要です。じっくり考える力と直感的な力の両方が揃うからこそ、より適切な意思決定が期待できます。
と、自身の経験の比重が重く視野が狭くなり、バイアスによる見落としや重大なエラーのリスクが高まります。じっくり考えるメリットとコツについては下記記事もご参照ください!

意思決定の上でのルールを決める
意思決定力を高めるには、無計画に判断を繰り返すだけでは不十分です。効率的かつ合理的に決断を下すための「意思決定のルール」をあらかじめ設定することが大切です。
ルールの設定により、複雑な状況やリスクを伴う場面における決断のスピードや質の向上も期待できますし、振り返りの際の基準や着目点としても有効です。
一つ目の例としては判断の規模にあわせ制限時間を設けることがあげられます。前述のように、現実では完璧な情報が揃うことは稀であり、長時間悩んだ結果かえって不適切な判断を下す可能性があります。更に決断に時間が掛かると挑戦自体や修正する時間が失われるリスクも増えます。
例えば、決断に必要な制限時間の長さをリスクによって下記のように調整することで、リスクをコントロールしながら意思決定のスピードと質を鍛えることが可能になります。
- 小さな判断(例:メールの返信内容)は 5分以内 に決定
- 中程度の判断(例:プロジェクトの方向性)は 30分〜1時間以内 に決定
- 大きな判断(例:転職、重要な契約)は 48時間以内 を目安にする
意思決定のスピードを上げるには、重要な要素が何かを特定して集中することが必要です。影響が大きな要素は一部に限られ、影響力が少ない要素に時間を掛けることは効率的ではありません。

「結果の80%は、原因の20%から生じる」というパレートの法則は有名ですね、
優先順位を決める上で自分の軸を知ることが重要であることを前述しましたが、仕事や取り組みの中でも優先順位付の軸となる結果を大きく左右する重要な要素があり、特定した重要な要素を中心に意思決定を進めることが重要となります。
意思決定の際は、何が重要な要素であるかをまず考える習慣をつけることで、判断基準がクリアになり、円滑な意思決定が可能となるでしょう。
また、どうしても意思決定に進めないという方には受け入れられるリスクを考えるというステップも有効です。
リスクゼロの選択はありえません。選択をした時点で選ばない選択の先にある機会の損失が発生するためです。ただ、意外と起きても大したことがないリスクも多いです。むしろ、そのリスクを恐れて失った損失の方が大きい場合も少なくないでしょう。

起きる前に恐れていた事態になっても、思ったよりあっさり解決したという経験があるという方も少なくないのではないでしょうか?
許容するリスクを考える上でのステップは下記です。
- 選択による起こり得る最悪の事態をリストアップし視覚化する
- 最悪の事態が起きる確率(高、中、低)とその影響度(致命的、重大、軽微)を評価する
- 最悪の事態に関する対処方法(リスク軽減策)を考える
- 軽減したリスクを受け入れられるかを評価する
- 受け入れられないリスクがある場合は、その選択をしなかった場合のリスクを考える
- 選択をした際としなかった際のリスクを比較し、選択をした際のリスクを無視できるか評価する
- どうしても受け入れられない場合は重要な要素として優先順位の基準に追加する
人は曖昧なリスクを過大評価したり、対応できるかの不安を解消できないことによるストレスを感じがちです。
リスクを評価し、対処方法まで想定しておくことで、ストレスを軽減しながら意思決定のスピードを高めることができるでしょう。

一般的にリスクの影響を受けやすいもの(お金、時間、人間関係)については汎用的なリスク許容度を事前に決めておくことも有用でしょう。
計画実行能力
次に実行力を支える能力として計画実行能力について深堀しましょう。計画実行能力は計画を具体的なステップに落とし込み、それを粘り強く実行する力とここでは定義します。
後者の粘り強く実行する力は次回紹介予定の継続力にも絡むので詳細はそちらで扱うとして、今回は特に具体的なステップへの落とし込みに着目します。
計画は立てるだけで理想に近づく感触があるので一定の満足感を得られます。しかし、実際の成果や成長を生むには計画から実行に移す能力が重要となります。
ただ、計画実行能力もまだ抽象的なので、こちらもいくつかの要素に分解してみましょう。
タスク分解力
計画を実行に移す際にまず大事な能力は計画を実際に行動できるタスクレベルまで分解することです。
大きな目標を持つことは重要ですが、そのままではどこから手を付ければいいか分からず、実際の行動に移すハードルは高くなりますし、行動に移せても行き当たりばったりとなってしまうでしょう。
目標は目指す状態を示す達成目標とそこに到達するために必要な行動に分解した行動目標に分解でき、計画を実行に移すには、達成目標と同時に行動目標も検討する必要があります。
この際に重要となるのがタスク分解力です。タスクを分解することで、長期的な目標に対する中短期的なマイルストーンを設定したり、その達成のために必要な日々の活動を明確化できたりします。
その際には下記のようなアプローチが有効となります。
- 適切な最終目標を設定する
適切な最終目標を設定できていると、タスク分解しやすくなります。適切な目標設定については具体的に計画力の回で深堀したいと思いますが、SMART:Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)を活用することが目標設定の手助けとなるでしょう。特に定量化が出来ていると細分化をしやすくなります。 - ツリー構造で因数分解する
目標を細分化することで、アプローチ方法を検討しやすくなります。目標が定量化できていると、利益=売上-経費のような足し引きや、営業成績=交渉回数×成約率×単価のように分解しやすいです。
数字以外でも、油絵の表現力の上達を例に出すと、コンセプトを考える力と画力に分け、更に画力を色使い、デッサン力、ナイフの使い方のように必要な定性的な要素に分解するアプローチも可能です。 - 逆算思考で分解する
取り組む上では順序も重要となり、その際に重要となるのが逆算思考です。目の前のことのみに注目して取り組んでいるとつい取り組みやすい楽なことに着手しがちで、大事な要素の見落としや効率の低下、誤ったアプローチによる時間と努力の浪費に陥りやすいです。目標から逆算して考えることで、必要な要素を網羅しながら必要な順序でタスクを整理しやすくなります。

個人的な感想ですが、タスクの分解力は計画やアイディアを実現に進めるのに最も重要なスキルであると感じます。このブログも必要な要素をさらに分解することで、鍛える方法の具体化を目指しています!
細分化したタスクは毎週、毎日あたりの具体的な行動目標まで落とし込めていると、日々取り組むことが明確化するので行動に移しやすくなるとともに、実際に進行しているかの振り返りもしやすくなります。
進捗管理能力
進み始めてからは計画通りに進んでいるかをチェックして修正する能力も必要となります。その能力が進捗管理能力です。
実際に行動することでイメージとのギャップが見えてきて取り組み方の修正が必要となったり、計画自体の見直しが必要となることもあるでしょう。方向性や効率性を修正するために、定期的に進捗が問題ないかを確認する習慣が大事となります。
振り返りの上でも達成目標と行動目標の二つの視点が役に足ちます。目標通りに進捗していなかった時、達成目標かそのマイルストーンが現実的で無いか、アプローチ自体が間違っているか、行動自体が取れていないかなど、その原因によって修正すべきポイントが異なります。
計画通りに進まない場合は二つの視点で原因を特定し、その原因にあわせて定期的に計画を修正することで、着実に目標へ前進できます。
振り返る適切なタイミングも視点により変わります。例えば行動目標については日々や週の短期的な振り返りが有効です。行動が取れていないとアプローチが正しいかの判断もできないため、時間の損失を最小限にするには早めの確認が必要となります。
例えば日々の行動目標に対する達成状況を5分ほどの短時間で毎日振り返り、未完了のタスクの原因を分析することで、日々の時間の使い方の問題点や行動の上での障壁を特定でき、日々の実行力改善に繋がります。
また、週や月単位で行動目標の達成度と達成目標の進捗を比較して確認することで、時間配分の変更や取り組み自体の変更の必要性を把握できます。短中期的な振り返りの習慣は早めの軌道修正が可能となるため、立てた計画がイマイチでも時間と努力の浪費を回避できます。

この進捗の確認の上でも、タスクの細分化と視覚化が役に立ちます。進捗の確認は軌道修正のほかに、目標に近づいている実感を得られるのでモチベーションアップの効果も期待できます。
振り返りの上では、Keep(うまくいったこと)、Problem(問題点)、Try(次に試すこと)を考えるKPTフレームワークを活用することで、問題点を網羅的に検討できるほか、今後継続するべき良かった点も漏れずに今後に活かしやすくなります。
時間管理能力
長期的な目標からのタスク分解や、習慣的な振り返りも重要ですが、実行力を支える最大の要素は日々の行動力であり、言い換えればどれだけの時間を活動に注いで効率的に行動できるかです。

時間管理能力という名前を使用していますが、実際にコントロールできるのは「行動」となります。
活動に時間を割く上でまず必要なステップは大事な活動のための時間をブロックすることです。邪魔が入りにくく集中しやすい、そんな聖域のような時間を見つける、もしくは作って重要な活動に充てるのです。
活動に時間が割けない、もしくは後回しになってしまう状況の原因は、やらなければいけないことが終わった後にやろうという行動パターンです。やらなければいけないことは数多に存在し、それぞれに時間を掛けると大事なことに割ける時間はいつまでもやってきません。
1日30分でも、60分でも、どうしても難しい日は15分でも、大事な活動への時間を設けて、大事な活動にあてることで確かな進歩が可能となります。

進捗を確認することで、より時間を掛けるべきかどうかという優先順位付の修正も可能になります。
個人的には集中しやすい時間として朝の時間の活用を推奨します。仕事前にその日の目標が終わっていると気持ちに余裕ができますし、仕事でも集中力や根気が必要な作業は朝一の時間に取り掛かることで業務効率があがります。特に緊急度と重要度のマトリクスでいうと、後回しにしがちな重要・非緊急事象を真っ先に取り掛かれるようにスケジューリングしています。

最適な活用可能な時間は人により変わりますが、朝活について興味がある人は下記記事も是非参考にしていただければ幸いです!

また、「時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」」(ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー、櫻井祐子訳、ダイヤモンド社)で学んだポイントとして、タスクと長期的な目標の中間である「ハイライト」を作るというアイディアも行動力をあげる参考になりました。

日々タスクをこなしていくことで習慣化はできるのですが、細かく分解できていればできているほど単調作業になり飽きがちという弊害も生まれます。ここで役に立つのがタスクと長期的な目標の間のハイライトという概念です。
ハイライトはタスク程細かく分かれておらず、その一日で達成でき、かつ日々の成果の積み重ねにより長期的な目標の達成がイメージできるレベルの目標となります。
ハイライトという具体的な1日の目標を定めることで、実際の行動につなげやすくなる上、長期的な目標へ近づくステップのの実感により、毎日達成感を得られる機会を作れます。
前日か朝一にどのような一日にしたいか、どんなことを達成したいかというハイライト設定により、日々が意味づけられ充実度も実行力も向上が期待できます。

ブログ作成を例にすると毎日500文字書くというタスクレベルでは退屈なものと感じますが、ハイライトとして前半のセクションを完成させる、下書きまで終わらせるなど、完成形に紐づいた1日のマイルストーンを設定することで、達成度を確認しやすく行動自体の充実感もあがります。
その他、自分の時間の使い方を振り返り価値観を考える上では下記の記事で取り上げた「時間の超基本」(朝日新聞出版)も参考になります。

その他、期限内にタスクを実行するための計画を作る力や継続力も計画実行能力に必要な要素ですが、前者は計画力の回で、後者は次回の継続力の要素についてで触れたいと思います。
おわりに
「実行力」を鍛えることで、あなたの「やりたいこと」や「やるべきこと」が現実に近づいていきます。実行力はあなたの夢や目標を叶える最大の原動力と言っても過言ではないでしょう。
今回は「実行力」を鍛える上で重要な要素として、意思決定力と計画実行力について紹介しました。参考になるものがあれば、一つでも実際の行動へ落とし込み、実行力を鍛えるための第一歩を踏み出してみませんか?
次回は、「実行力」を鍛える上で必要なその他の要素、継続力、問題解決力、修正力について紹介する予定です。
それではまた次の記事で!