どうもです!経済産業省が提唱する、「社会人基礎力」のうち、前回より「実行力」をテーマとしています。
「やりたいことがあっても、なかなか行動に移せない……」そんな悩みを抱えたことはありませんか?本記事はそんな悩みを抱えた人を問題解決へ後押しすることを目指しています!
前回は「実行力」を複数の要素に分解し、「意思決定力」と「計画実行力」を取り扱いました。今回は残りの「継続力」、「問題解決力」、「修正力」について考えていきます。
それでは早速本題に入りましょう!
実行力を鍛える方法、実践するために:継続力、問題解決力、修正力
継続力
前回は実行の開始段階の要素に着目しましたが、開始後に継続する力も重要となります。一朝一夕の努力では大きな成果や成長は掴めません。大きな成果を掴むための実行力にはやり続ける継続力も必要となります。
実際、継続力に関連するやり抜く力には才能を超える力がある。そんな研究結果が、アンジェラ・ダックワース氏より報告されています。
継続してやり抜くことの方が才能より大事。これは多くの人に希望を与えるメッセージではないかと思います。

勿論ただ時間を費やすのではなく、自分なりの工夫を見つけ出すことも必要ですが。
ただ、肝心なのは継続力をどのように身につけるかという点です。残念ながらやり抜く力を身につける方法は未確定であるとアンジェラ氏も語っています。
でもそれが結論では寂しいですよね。知見の中で私の経験上特に役に立ったなと感じているものを紹介しようと思います!
活動の方向性を自分の軸に合わせる
活動を継続する上で重要なのは、その方向性が自分の軸と合っているかです。この軸がズレていると継続する動機も生まれにくく、継続のための負荷も大きくなります。
活動の軸に判断材料としては、向かう最終目標と活動内容という二つの視点があります。

両方揃っているのが理想です。しかし、両方揃っていることに固執すると可能性を狭める危険性があります。少なくとも片方は軸に沿っているかの確認が現実的と考えます。
コア・パーソナル・プロジェクト(内発的動機)
コア・パーソナル・プロジェクト
最終目標の軸については本ブログで繰り返し登場するMCWの輪を推奨しています。しかし、今回は別の視点としてコア・パーソナル・プロジェクトを紹介したいと思います。
これは重要性を感じ、活動への意欲をもたらす人生における自主的な課題です。誰からか与えられたものではなく、自分の内的な動機から生み出された課題です。
成果や成長のためにはあまり得意でないことに挑戦する必要も出てくるでしょう。
自身の特性を超えた挑戦は不安やストレスがつきもので傷つくこともあります。しかしコアパーソナルプロジェクトが定まっていれば、乗り越える活力が湧いてきます。その結果、自分の特性を超えた活動が可能となり、自身の可能性の拡大に繋がります。

コア・パーソナル・プロジェクトの探し方
過去本ブログでも紹介したスーザン・ケイン氏の「Quiet-内向型人間の時代」では、コア・パーソナル・プロジェクトの探し方のヒントとして下記3つのステップを紹介します。
- 子供の頃に大好きだったことを思い返す。
- 自分がどんな仕事に興味を持っているか考える。
- 自分がなにをうらやましいと感じるか注意する
子供の頃の夢は自分が本心でやりたいことを反映している可能性があります。その職業のどのような点に憧れていたかを考えてみましょう。消防士という例では、人を助ける善人になりたかったのか、ヒーローに憧れていたのか、消防車の運転に興味があるのか、その根底にヒントが隠されている可能性があります。
また仕事の中でどの役割にやりがいや居心地の良さを感じるかを考えましょう。自分の気質を超えて挑戦しようとすることは何なのかを探すヒントになります。現在に目を向けるステップは実際の能力や気質を反映した現実的な判断材料になります。
そして最後のステップは現在から未来に目を向けたステップとなります。嫉妬は負の感情としてとらえられがちですが。嫉妬も自分の本音を反映している可能性が高いです。周りから与えられた建前の目標ではなく、自発的な目標を見つけるために自分の本音と向き合うのは重要なステップとなります。
もし、どうしても活動が継続できない場合は、最終目標が自身の内発的動機に紐づいていない、つまり自身にとってあまり重要でない目標である可能性があります。そのような場合は、本当に自分が必要と感じているものは何なのかを見直してみましょう。
また、注意点としては、自身の特性を超えた活動には限界があります。適度な休憩をはさんだり、回数をコントロールする等のケアが重要です。

可能なものは外注や人に依頼するのも効率化の上でも有効な手段です。
活動の軸:強みを生かす?フローになれる?
強みを生かす
継続する上で、活動自体が苦でないことも重要なポイントとなります。想像以上に人により苦にする作業は変わります。ルールがない方がやりやすい人もいれば、ルールがなければ動きにくい人もいます。
他の人が苦にしているけど、なぜか苦も無く続けられることに着目しましょう。それがあなたにとっての強みである可能性があります。継続のためには、どの作業が自分の行動特性にあっているかを見極める必要があります。行動特性に紐づく強みを知るには、「ストレングス・ファインダー2.0」がオススメです。
苦手な作業・活動については、継続するための工夫をする。(例:マイルストーンにより達成度や進捗を感じやすくする、コアパーソナルプロジェクトとの紐づけを強化する。)もしくは、本当に必要なポイントに絞る、他の人に頼み負担を軽減するなどが有効です。
逆に得意な作業を中心にして計画を立てることで、継続力の強化と自分の特性を発揮しやすくなります。

文字を書くのは多くの人にとって大変なことと思いますが、黙々と自分の収集した情報や思考を整理するのが好きな私にとっては3-4年も継続する自分にとって大事な活動となっています。
フロー体験
また、活動の軸という点では、その活動への取り組み自体が楽しみとなる状態もあります。それがフロー体験です。フロー体験をそれ自体をすることが目的となり、その楽しみのために人々が自発的に時間を費やす体験と定義されます。これはまさに内発的な動機による活動となります。
例としては活動により得られる富や名声ではなく、創作活動自体に意義を見出す作家やアーティスト、好奇心により自発的に未知の問題に取り組む研究者が挙げられます。
その活動をすること自体が目的になれば、実行力は各段にあがります。
フロー体験には下記の要素が必要と報告されています。
- 明確な目標:何をするべきかが明確で活動に集中できる
- 迅速なフィードバック:自分の行動が適切であったか、結果がすぐにわかること
- 活動の機会:自ら機会を作る。集中できる時間を確保する
- スキルと目標のバランス:必要なスキルの習得、やりがいのある丁度いい難易度設定
継続したいけどできない活動はありませんか?上記のような工夫により、活動の価値があがり、継続性の向上に繋がる可能性があります。

個人的に難しいと感じるのはフィードバックの獲得。活動自分によって自分の軸に沿った評価を得るのは中々困難です。そのような場合は友人に率直な意見を頼むのも一案でしょう。
フロー体験については下記記事でも紹介してますのでそちらもご参照ください!

最終的にはやる時間を確保してやる:タイムマネジメント、(日々の行動目標を作る)
方向性を確認できたら、次は行動に移すステップです。継続という観点で個人的に重要と感じているポイントを5点ピックアップしました。
一日の目標を設定する
朝にはその日一日どのように過ごすかイメージできるように目標を設定することが有用です。前回記事のハイライトも取り組み例となります。
また、最低限の目標の設定も有効です。忙しく疲れている中でも最低限これならできるという目標を設定しておくことで習慣を断絶せずに取り組みを継続しやすくなります。
ブログ作成でいえば、50文字は毎日最低限書く、楽器や絵の練習であれば5-30分程度で直ぐ取り組める基礎練習を設定しておく等があげられます。
やる時間を確保する
朝活等で、大事な活動に割く時間を優先的に確保することも重要です。簡略的な1週間の時間割を決めておくと、いつ何をするか考える労力と時間を削減できるのでお勧めです。
習慣化し、やらないと気持ちが悪い段階までいけばこちらのものです。私は用事が入りづらく連絡も来づらい朝に活動時間を設定することが多いです。
また長時間で設定するとどうしてもダレやすいので、一定の時間で活動を切り替えたり、ランニングで脳をリフレッシュしたり、集中力を維持するための工夫を同時にすると効果的です。
行動状況を振り返り
行動を継続するには達成状況の定期的な振り返りも必要です。目標が未達の場合、時間の設定が間違っているのか、作業が進まない原因は何なのかを考え、その障壁を取り除くなどの継続するための工夫・改善が必要です。
障壁は始める時が最も高いので、どうすれば自然と行動に起こせるか、生活をデザインするのも一案です。
例えば日常的にジョギングしたい場合は、玄関にウェアを準備して帰宅時に直ぐ着替えられるようにすることで、日常の流れに活動を組み込むことができます。
自分の集中を削ぐ要因を特定する
現代はエンタメや情報が溢れ、便利になった反面気が散りやすい時代ともいえます。そのような集中を妨げる要因を特定して排除することが重要です。
特に要因となりやすいのはテレビかスマフォでしょう。これらは直ぐに手を伸ばせる上に終わりがないため、対策をしないと時間を無限に浪費してしまいます。
テレビの電源を抜いておく、スマフォのアプリは起動までに時間が掛かるようにしておくなどして、自然と手を伸ばせないようにすることで集中を削ぐ要因を遠ざけられます。
今この瞬間を大事にしてとりあえず取り組む
色々工夫しても結局取り組まなければ意味がありません。最終的には取り敢えず手を動かすことが重要です。
活動が前述の軸に沿ってさえいれば、実際に手を動かし始めることでやりたいことがあれこれと増えてきて、活動自体でモチベーションが生まれる好循環が生まれます。
モチベーションを待つのではなく、取り敢えず手を動かしてみるという習慣が継続力の強化に役立ちます。
問題解決力
実行内容を成果につなげる上で問題解決力も欠かせません。問題解決力により活動を目標達成に必要な方向へ導くことができ、日々の活動を有意義で効率の良いものへ改善できるでしょう。
逆に問題解決力がなければ、日々の活動により周囲の問題点を修正できず環境を改善できない状況が続くため、目標に近づけず無力感が生まれ、モチベーションの喪失に繋がります。

問題解決力を無視して頑張るのは、出口が見えない砂漠でさまよい続けるようなイメージです。
ここでは問題解決力を原因分析と解決策の検討という2つの段階に分けて具体的な鍛え方を考えていきましょう!
原因分析:根本原因分析力
問題を解決するにはまず何を解決しなければいけないかを正しく把握する必要があります。根本的な原因が分からなければいくら解決策を実行しても空振りに終わってしまいます。表面的な課題の解決一時的な対症療法に過ぎず、根本的な問題はそのままとなります。
根本的な原因・課題を適切に設定することで、何に取り組めばいいかが明確になり、解決方法を考えやすくなりますし、それをとり除くことで本質的な解決を実現できます。
根本原因分析で最も有名なのはなぜなぜ分析でしょう。有名な5why分析のようになぜを5回繰り返すことで解決すべき課題が見えてきます。以下になぜなぜ分析を進める上でのポイントを整理します。
主観を切り離し客観的な情報を活用する
感情や過剰な推測は分析を歪めます。客観的な事実を元に深堀を進めることが重要です。
その上で何が事実でどれが感情・推測かをまた、情報が不足する場合は、推測に頼るのではなく、必要な情報を収集するというステップを挟むことで、やり直しを回避することで時間効率の向上が期待できます。
原因と結果の因果関係が成り立つかに注意
なぜなぜ分析にあたり、深堀の一つ一つで原因と結果が対となっているかに注意が必要です。
その上で、深堀の内容がある程度シンプルであることが重要です。複数の要素があると、見落としや論理の飛躍、または原因と結果の逆転というエラーが起きやすくなります。各要素に分けて丁寧に深堀しましょう。
結論ありきで考えない
分析の前にある程度の原因や対策が浮かぶと思います。しかし、結論ありきだと、分析が引っ張られてしまい原因の見落としに繋がります。これではなぜなぜ分析の強みを生かせません。
仮説や直感の力も重要なのですが、なぜなぜ分析中はそのような要素は排除しましょう。まっさらな気持ちで事実に基づき1つ1つ丁寧に分析を進めることが鍵となります。

取り組みたい、取り組みやすい解決策があると、そのに対応する原因を目指してしまうのもよくある失敗のパターンです。解決策ありきとなっていないかにも注意が必要です。
また、特性について漏れなく原因を分析したいときは、各特性に対して原因を検討するフィッシュボーンチャートという形式の分析も有効です。必要に応じて4M, 3C, 3Pなどのフレームワークと組み合わせることで要因毎に漏れなく、かつ効率的な分析が可能となります。

柔軟な思考力
原因が分析できたら、次は解決策の検討です。そしてその解決策を検討する上では柔軟な思考力が鍵となります。
柔軟な思考力を養う上で有用なアプローチはブレインストーミングです。ブレインストーミングは一人で思考力を鍛える上でも、集団でアイディアを共有し視野を広げる上でも役に立ちます。
時間を区切る
ブレインストーミングはメリハリが重要です。時間が決まっているからこそ、集中してアイディアの拡散に取り組めます。
内容に応じて5-30分程度の時間で区切り、その後の流れも事前に決めておきましょう。例えば、ブレインストーミングの後にアイディアを精査する時間が設定されていれば、参加者はアイディアの提案に安心して集中できます。
この設定が曖昧だとブレスト中に提案への批評や整理が始まってしまい、不完全な形となってしまいます。
問いかけを利用する
ブレストが進まないときは、思考を切り替える問いかけを活用してみましょう。
例えばテーマが抽象的過ぎて進まない場合は対象やプロセスを絞ることを促したり、アイディアがありきたりなものしか出ない場合は視点を変える質問や現実性を取っ払う質問(「もし予算が100億円あったら」、「もし全ての人の協力を得られたら」など)により視点を広げたりすることで議論が活発化します。
問いかけはファシリテーターからでも、個人ワークにおける自問自答としても有効です。
意見を言いやすい環境を作る
集団でブレインストーミングを実施する場合は、ブレストのテーマと目的を明確化し、批判NGなどのブレストの基本ルールの事前掲示をすることで、全員が意見を安心して出しやすい環境を作ることが重要です。
付箋などを活用し、限られた時間でも提案・共有するのも有用な工夫です。
またいきなり集団でブレストを開始すると、どうしても他人の意見に引っ張られやすくなるので、個人で考える時間を事前に設定することも重要です。

会社でブレストを実施する際は、出来るだけ早くテーマの共有と事前準備をお願いし、当日にも5-10分程度個人で考える時間を設定することで、アイディア無しで臨む人がいないように工夫しています。
複数の選択肢を用意する
そして、解決策を一つではなく、複数の選択肢を用意できると、メリット・デメリットを比較して意志決定の質も向上し、問題解決の可能性向上に繋がります。
解決策が思い浮かんでも満足せず、例えば、大事な決断については異なる視点による解決策を3つは考えるという制約を付けることで、自分の思考のパターンを超えた新しい視点でのアイディアの発見を促せます。

結果的に採用されたのが最初に思い付いた案であったとしても、残りの2つの案や考えるプロセスでの気づきは頭にストックされ、今後の検討の際に役に立つでしょう。
複数のアイディアを検討するには分割した複数の視点で深堀して考える、複数の視点を組み合わせてみる、抽象と具体を行き来してみるのような方法があげられます。

解決策が揃えば、前回の意思決定力により取り組む策を選択し、現在取り扱っている「実行力」により実行に進めることで問題解決に繋がります。
修正力
実行力を鍛えるために必要な力として最後に紹介するのは修正力です。ただがむしゃらに続けているだけでは成果には繋がりません。振り返り行動を修正するPDCAサイクルを回し続け、取り組みを改善しながら継続することが重要となります。
PDCAは有名で当たり前と感じる方が多いと思います。が、「知っている≠できる」であり、習慣的に実践できている方は意外と少ないと思います。

正直私も本記事書いている時にサボっているポイントに気づき反省しています・・・。
私が体系的にPDCAを学んだのは、冨田和成氏の「鬼速PDCA」です。PDCAを実践する上でのよくある落とし穴とその回避方法や、各ステップ毎のコツと注意点が一貫性をもって紹介されており大変参考になりました。
本書で印象に残ったポイントを一部紹介します。
PDCAは独立して回さない、行動レベルまで目標を設定する
PDCAというと一つの取り組みに対して一つのサイクルを回すイメージがあります。しかし、それでは改善のサイクルは遅く、詳細までの深堀もできないので細かい修正をしにくいです。
目標に対するPDCAと並行してその目標を達成するためのPDCAを複数同時に回すことを意識しましょう。、取り組みの改善スピードを文字通り爆速化できます。
例えば、前述のように行動の段階でPDCAを回すことで、現実的な行動計画か、計画を妨げる要因は何か、方針自体は合っているかを早期に確認できます。
評価のための基準を設定する
そのためには、目標となるKGI(Key Goal Indicator)、目標達成に必要な要素となるKPI(Key Performance Indicator)に加え、行動目標となるKDI(Key Do Indicator)まで具体的に数値化して設定することが重要となります。

階層にあわせて適切な頻度で達成度を検証・修正することで、改善のスピードが加速します。検証の頻度としては下記の目安が本書で紹介されています。
- KGI:本格的な検証は月に一回程度
- KPI:対象により調整 (Doの効果の影響のしやすさ(行動による反映のしやすさ)を考慮)
- KDI:毎日確認して日々修正、時間を最も費やす必要あり
行動レベルのサイクルは毎日回して日々見直し調整をしながら実行を積み重ねる。その結果を上位の人生単位のPDCAにつなげたり、取り組んで学んだ内容を元に次の取り組みのPDCAに活用することで、量と質という両側面で実行力の強化に繋がるでしょう。

実行力を伸ばす上での注意点
鍛える際の注意点として下記3点があげられます。
- 完璧主義に陥らない
実行力を鍛える過程で、「完璧にしなければ」と考えるあまり、行動を先延ばしにしてしまうことがあります。取り組むことで初めて見えてくことも多くあります。完成度にこだわり過ぎず、とにかく行動を始めることが大切です。その上で前述のPDCAによる振り返り力があれば、目標に向けて徐々に修正できます。 - 「やらなきゃいけないこと」にとらわれすぎない
タスクに追われるだけではモチベーションが下がることがあります。前述のコアパーソナルプロジェクトやフロー体験を鑑みた「やりたいこと」をリストに加え、自分の興味や情熱に基づいた行動も取り入れましょう。そしてどうしても取り組みたくないものがある場合は、他の手段への変更や外注により回避できないかも検討しましょう。 - 無理をしない
短期間で無理に行動を増やすと、疲れやストレスがたまり、長続きしません。成果を出すには継続することが重要です。自分のペースで少しずつ行動を増やすことを心がけましょう。
実行力を鍛える上で参考となる書籍:道は開ける
私が行動する上で最も支えとなっている一冊を紹介したいと思います。それがD・カーネギー氏の「道は開ける」です。

D・カーネギー氏は働きかける力で紹介した「人を動かす」の方が有名で重宝していますが、バイブルとしている本を一冊だけ選べと言われたら私は「道は開ける」を上げます。
実行する上で障害となる意外に大きな存在が「悩み」。悩みは多くのエネルギー、挑戦や継続に対するモチベーションを奪う存在です。妄想や不安から未発生事項や解決不可能事項も生まれるので、思考がぼやけて状況の改善に役に立ちません。
悩みを断ち切り、適切な解決策・対処法の検討、もしくは活動に時間を割くことが人生の生産性・幸福度の向上に繋がります。

本書では悩みに対する健全な対処法を筆者の実体験を元に整理して解説されています。本書を参考にすることで、無駄なエネルギーの浪費の回避と実行力の強化に繋がります。
「今日、一日の区切りで生きよ」
実行力に関連性が強い対処方法として最初の章:「今日、一日の区切りで生きよ」を紹介します。これは、今日一日、就寝までの時間を精一杯生きること心掛けることを指します。

簡単そうですか?意識してみると意外と多くの時間やエネルギーを過去への後悔や未来への不安に対する悩みに割いていることに気づきます。
人間、過去への後悔、未来への不安で悩みは絶えません。しかし、過去は変えられませんし、未来についても心配事の多くは起こらず、起きても対処できる程度のものがほとんどです。変えられるものはあくまで現在の自分、そして目の前の行動です。
未来のことに配慮して細心注意を払っての計画・準備はするべきではありますが、心配には及ばない点を筆者も主張します。心配ではなく解決・改善・成長のための本当に必要な活動に注力することで、日々の実行力向上のみでなく、ストレスの軽減も期待できます。

ずっと頑張り続けると考えるとしんどいです。ただ、取り敢えず一日だけと区切るとハードルが下がり実行力回復にも繋がります。
皆さんも私も、この一瞬に永遠不滅な二つのものが出会う場所に立っている。無限の彼方から続いている膨大な過去と、すでに刻まれた時の末端につき刺さっているに等しい未来との境目にいるわけだ。たぶん私たちは、この永遠不滅なもののどちらで生きることも許されない-たとえほんの一瞬たりとも。その不可能なことをしようとすれば、私たちの肉体も精神も、ともに破滅するだけだ。だから、私たちは自分が生きられる時間、言い換えると、今から就寝までの時間を生きるだけで満足しようではないか。
D・カーネギー「道は開ける」p20
今日に全力を注ぐ後押しとなる5つの問い
筆者は「今日、一日の区切りで生きよ」を実現するための後押しとして下記5つの問いを読者に投げかけます。
- 私は、未来に不安を感じたり、「水平線の彼方にある魔法のバラ園」に憧れたりして、ともすると現在の生活から逃避していないだろうか?
- 私は、過去の出来事-すでに決着のついた事柄-を後悔するあまり、現在をも傷つけてはいないだろうか?
- 朝起きる時に「今日をつかまえよう」-この二十四時間を最大限に活用しよう-と心に誓っているだろうか?
- 「今日一日の区切りで生きる」ことによって、人生をもっと豊かにできるだろうか?
- 以上のことをいつからはじめるべきか?来週から?・・・明日から?・・・・それとも今日からか?
上記は本書の28もあるセクションの1つの抜粋に過ぎません。本書には悩みに対処し心身の健康を保ちながら活動に集中するための方法が詰まっています。本当にオススメの一冊となりますので、未読の方は是非お手に取ってご覧ください!
終わりに
実行力を鍛えることで、あなたの「やりたいこと」や「やるべきこと」が現実へ形づいていきます。「今日から始められることは何か?」を考え、すぐに行動に移してみませんか?
少しずつ成功体験を積み重ねていけば、着実に実行力は高まりあなたの強力な武器になります。前回の記事とあわせ、本記事の中の一つでもここまで読んでいただいたあなたの参考になれば幸いです!
それではまた次の記事で!