自分の価値観と向き合ってみる-インプット系の趣味を通して

インプット系の趣味による影響

インプット系の趣味から始めることを推奨する理由を、インプット系の趣味による影響という観点から見ています。今回は2番目の自身の価値観の把握という点を記載します。

インプット系の趣味による影響
  1. 知識の拡大
  2. 自身の価値観の把握
  3. 習慣化と自信の形成


前回は知識の拡大でしたね。

価値観を振り返る意味

幸福感がテクノロジーの発展に対して比例的に上昇しない現代で、自身の価値観を見直し振り返ることは人生の充実感を高める上で重要です。

この価値観に誤りがあると自らを苦しめる行動習慣や信念の形成に繋がってしまいます。自身が信じる行動を続けているのに一向に状況が改善されない・・・。そのような泥沼から抜け出す、そしてはまらないためにも自分が何を大切にしており、それは本当に自分に充実感を与えているのかという見直しが対策の1つとなります。

偏った信念という自縛の鎖

実際私も繫忙期でメンタルを病みかけた時期がありましたが、そこで最も自分を苦しめたのは「休日に仕事をしない」という信念・自分ルールでした。

このために限られた時間で仕事を必要レベルまで進めるために、緊急性のある好きでは無い仕事に割く時間が大半となってしまい、仕事の時間がひたすら苦痛の時間となっていた時期でした。自身の興味のある+αの仕事への挑戦への時間が全く取れなくなってしまったのです。

自分の価値観を支えるための信念が自分を縛る鎖となり、無為に過ぎる時間に絶望を感じていたのです。

気付きと改善

その時たまたま出会った本と学習していたメンタルヘルスケアの知識より、自分の持っている信念がマイナスの価値を生み出すものになっていると気づき、「自身の興味のある仕事を除き休日に仕事をしない」と自分ルールに柔軟性を持たせました。

その結果、自身で満足感を得られる仕事を進める時間を持つことができ、そのことが満足感と自信の回復に繋がり、なんとかダウンすることなく繁忙期を乗り切ることができました。

これは個人的に価値観の見直しが自分の人生を適切な方向に進めるために重要であると実感した大きな経験となりました。今回の記事で読者の皆様にも価値観を見直す、もしくはその時間を設けるきっかけとなれば幸いです!

自身の価値観の把握

インプット系の趣味を継続することでどのような価値観の把握が考えられるのでしょうか。

まずは純粋に知識の拡大で自分の好きな趣味に出会いやすくなるという点は前回の記事で記載した通りです。今回は知識の拡大以外の経験の中での感情や気づきによるものにフォーカスします。

価値観の把握に繋がる趣味を通して得られる気づきのポイントを下記2種類に大きく分けてみました。

  • 関心のある課題
  • 自分にとっての幸せとは何か

自分が達成したい目標を考える上で使われるフレームワークとしてMCWの輪がありますが、それぞれの要素を考える上でのヒントも出てくるかもしれません。

そのため自分の人生の目標、目的は何だろうと考え中の方にも参考となる記事となれば幸いです!

MCWの輪
  • Must:やらなければならないこと、社会から求められること
  • Can:できること、能力を活かせること
  • Will:関心が強いこと、解決したい課題

関心のある課題

課題への気付き

インプット系の趣味で知識を広げていくと、人間の色んな側面や社会の構造が見えてくることがあります。

人間が人間のために作ったサービスに触れる機会が多くなるので、人類共有もしくは社会の問題点が表現されたもの、もしくは解決するための取り組みをインプットする機会も多くなります。


人工物ではなくても、広大な自然に触れ人間の儚さを認識したというのも一例かもしれません。

この気付いた課題というのは、無意識に考えていたことの潜在化である可能性があります。気づきが得られる要因の一つに「共感」があります。創作者がいる趣味であれば、その創作者のメッセージへの共感というのがイメージが湧きやすい一例でしょうか。

気付きを得られるほどの共感が生まれたということは、日常生活の中の何か納得できないものを漠然と認識していた可能性があります。インプットによる刺激はその漠然としたモヤモヤを潜在化し、自分が取り組みたいと感じる課題、つまり人生の新しい目標と出会う源泉となるのです。

課題から見えてくる自分の価値観

また、気付いた課題に対する自分の反応が、どのような価値観を持っているか考える材料となります。

課題は理想とのギャップを反映しますので、目標とする理想像や達成したいと重要視している価値観が見えてくることがあります。

また、課題の分野からどのような側面からアプローチをしたいかのヒントになりますし、その課題に取り組む先人への共感がある場合は、憧れとする生き方の要素がその先人の人生に隠れているかもしれません。

そして、感情の大きさは行動のエネルギーの大きさに繋がりますので、どの課題にどれだけの熱量を持って取り組めるかの優先順位付けが分かります。

その他、もし自分ならどうその課題に取り組みたいかが想像できる場合は、その取り組み方は自分の発揮したい能力社会との理想の関わり方を反映している場合があります。

例を纏めるとと下記の通りです。

  • 気付いた課題の傾向:自身目指す理想像、重要視している価値観
  • 課題の分野:好きな取り組み方、憧れの生き方
  • 課題に対する感情の大きさ:価値観の優先順位、解決行動へのエネルギー量
  • その課題に自分ならどうしたいか:発揮したい能力、社会への理想の関わり方

自分がどのようなことに気づいたか、またはどの課題にどのような感情を抱いたかということは、本来取り組みたい課題を見つけるヒントとなります。

また学校や会社で与えられる課題と異なり、こちらは自分で見つけた長期的な課題となります。答えは誰も持っておらず、成果も確証されていないため、悩んだり時には苦しむこともあるかもしれません。しかし、自主的に大事と考えた活動に時間を割くことは、自分が生きていく意味や自分らしさを増強/再確認する貴重な機会となります。

趣味を通して振り返った自分から見えてくること

自分にとっての幸せとは何か

インプット系の趣味による刺激とそれに対する自分の反応を振り返ることで、自分にとっての幸せは何かを考えるきっかけとなります。

自分が日々どのように過ごすのが理想か、幸せをもたらす行動は何なのか、人生を掛けて成し遂げたいことは何か、どのような最期を迎えたいか、幸せと一言にいっても様々な形があると思います。ここでは日々の過ごし方という短期的視点と、人生の目標という長期的視点に分けて考えます。

日々をどのように過ごしたいか

人生は日々の連続であり、この毎日をいかに充実して快適に過ごせるかは幸福において重要な要素となります。同じ結果を達成するとしても、過程が充実している方が幸福度が高くなるのは当然といえると思います。

また、日々が苦痛しかなく短期的な課題に追われている余裕の無い状態で、視野を広げて長期的課題に取り組める人は多数派ではないと考えます。ライフラインが整った日本ではハングリー精神より、日常生活に充実感を感じる前向きなエネルギーが人を+αの活動に導くケースの方がイメージしやすくないでしょうか。

その一方で、毎日を快適に過ごすことのみに固執すると、新しい挑戦や難しい選択を回避し、長期的な人生全体の充実感を損なう原因となるのでバランスが重要です。

どのように日々を過ごすのか、自分自身をメンテナンスするのかを考えるのも重要なポイントとなります。ここの日々の充実感や快適のための活動には、インプット系の趣味に属さない自分を取り戻すためのリラックスの時間も含まれます。

ここで重要な視点は日々の生活を充実させる活動は何で、どれくらいの時間が必要かという点です。ここを厳密に目標化するのは方法と目的が逆転してしまうのでお勧めしませんが、疲れや退屈を感じる際は十分な時間が取れているか確認すると、自分の日々の幸せを取り戻すために時間を割くべき行動が見えてきます。

また充実の種類もポイントの1つです。アルコール等で得られるドーパミン系の興奮は効果が一時的で依存性が高いといわれています。今後の生活への影響という観点で、比重が多くなりすぎないように注意しましょう。

人生で何を成し遂げたいか

人生の充実度、幸福の最大化という観点で、人生で何を成し遂げたいかという長期的な目標を考えることは欠かせません。自分の関心のある課題に自分の能力を活かして何かを生み出す、そしてその上で周囲の人や社会に貢献出来れば非常に強い達成感が生まれるでしょう。

「自由からの逃走」の著者であるエーリッヒ・フロムも、個性、自分らしさを維持して現代を生きる術として下記重要性に触れています。

個性を放棄することなしに、個人を世界に結びつける関係である。この種の関係――そのもっともはっきりした現れは、愛情と生産的な仕事である

「自由からの逃走」エーリッヒ・フロム 日高 六郎訳 東京創元社

仕事の方法は多様化しており副業も珍しくない現代では、趣味の中で見つけた課題から人生で達成すべき目標を立て、この生産的な仕事へと発展させることで、自分らしさを磨きながら満足感を得る可能性が増していると考えます。

この人生で成し遂げたいものは直ぐに見つかるものではなく、色々取り組んでいるうちに段々見えてくる、修正するものと考えます。

そのためには長い時間が必要で、根気も必要となります。ただ人生も長いので、このような活動に割く時間を地道に積み重ねることで、自分らしい充実した人生に少しずつ近づけていくことができると考えます。


私もまだ明確化できておらず、このブログを含めた活動を通して模索中です!

インプット系の趣味は価値観の把握という観点で、この人生の目標を考えるヒントの源泉となり、さらに行動習慣を変える1歩目ともなると考えます。

何に時間を投資するべきか

短期的、長期的視点で幸せについて考えてきました。どちらの行動も幸せにとって重要なアプローチとなります。

個人的には人生の充実のためにはどちらかではなく、両方の追及が必要であり、どちらかを捨てる必要は無いと考えます。日々の行動習慣が自身に無理のない範囲であり、かつ両者のバランスが崩れていないかを定期的に振り返る習慣が重要となります。


基本的に長期的取り組みは短期的満足感も生むことがあるため二律背反するものではありません。ただ長期的取り組みによる苦悩が自身の許容範囲を超えて燃え尽きにならないような注意は必要です。

どのような活動が必要であり、何が重要かは人により異なります。リラックスの時間は十分か、日々の活動から満足を得られているか、自分のための時間は取れているか、大事な人との時間が疎かになっていないか、この配分は個人の価値観によります。

インプット系の趣味で判明した自身の価値観が、どの活動に時間を投資するべきかの優先順位付けが可能となり、より満足感のある人生を進むうえでの道標となるのです。長い人生ではありますが、日々の時間は有限です。活動に適切に時間を投資出来ているかは、自分の目標に向かって充実感を持ちながら毎日を積み重ねていくために重要なポイントとなります。

今回はインプット系の趣味による影響がどのように価値観の把握に繋がり、それが充実感のある人生を得るためにどう役立つのかを記載しました。次回は影響の内、習慣化と自信の形成について記載します!

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