前回までは何か始めようと思った時に、インプット系の趣味から始めることを推奨する理由を記載してきました。
今回からはインプット系の趣味を続けているうちにアウトプット系の趣味を始めたいと思うようになった経緯を記載していきたいと思います。
インプット系の趣味を始める意味があるのか迷っている方を後押しできる内容となっていれば幸いです。また、現在の活動に飽きてきてしまっている方に、新しい活動や活動の発展を考えるきっかけとなることも期待しています。
主なポイントは下記となります。
- 自分の活動を目に見える形で残したくなった
- 蓄積した知識を活用したくなった
- より難易度の高い活動に挑戦したくなった
今回は一つ目の「自分の活動を目に見える形で残したくなった」に注目していきます。
現在続けている趣味や行動に何か変化が欲しい、続けていても効果が得られないと悩んでいる方へ、充実感や効果を上げる方法の一つとして参考になれば幸いです。
自分の活動を目に見える形で残したくなった
インプット系の趣味の中での違和感
私は当時インプット系の趣味として主に読書と美術館通いをしていました。当時、その楽しさと継続しているという充実でそれ自体で満足感を得ていました。
しかし、継続している内にあることに気づきました。既に読んだ内容に関連する本を読んでいたのですが、以前読んだ内容が上手く思い出せないのです。そのために再度昔読んだ本を探し、読み直す時間が必要となりました。
また美術館鑑賞をした際も同様の経験がありました。展示の中で気に入った作品と画家について、帰りの電車で調べたりもしていたのですが、その記憶が中々定着しないのです。
別の展示へ行った際に、同じ画家の作品と出会っても調べたことがほとんど思い出せない・・・。また調べなおす。このように少しもやっとする瞬間が徐々に増えてきました。
私はカタカナで名前を覚えるのが苦手なので画家の名前は未だに覚えて紐づけるのに苦労しています・・・。
充実感の揺らぎ
インプット系の趣味の楽しさにはインプット情報や気づきによる刺激という実施中のものに加え、今後の自分に繋がる積み立てというポイントもあると考えます。
私の当初の状況では、実際に趣味に取り組んでいる最中の楽しさはありましたが、記憶がほとんど残っていないため、今後の自分に繋がっているという実感を中々得ることが出来ませんでした。
この違和感から趣味を続けられるか、続ける意味があるのかという若干の不安を覚えました。記憶が定着していないのであれば、今後に役立つ活動をしているという前提が崩れることを意味します。
インプット情報を確実に蓄積する
この状況を打破するために何か取り組み方法を変えなければいけないと感じました。そこで取り組んだ1つがインプット情報の視覚化です。
最初は読書では印象に残った文章や自分の行動に活かせそうな文をスマホのアプリ(Evernote)でまとめ始めました。さらに、特に重要と感じた本や章についてはその要約も作成するようになりました。
また、美術館に行った際は印象に残った絵や画家の名前や、調べた情報をメモしています。今では感想や気づいた点といった自分の内面部分の変化も記録するようににしました。
この行動後の1工夫はスマホのアプリを用いるだけなので、それほど大きな負担や時間はかかりません。
しかしこの小さな変化が様々な効果を生んでおり、この視覚化自体も楽しみとなっていると実感しています。その実感される効果と楽しさのため、現在では、難易度が少し上がるマインドマップの作成にも手を出しています。
インプットを視覚化する効果
ではインプットを視覚化することでどのような効果を期待できるかみていきましょう。
自分の気付きや感想を客観視できる
活動の後に視覚化をするひと手間を加えることで、自分が何を学び、何に興味をひかれたのかを客観視できます。
新しい情報と出会った時、なんとなくそれを理解したもりでも、それを説明しようとするとうまくできない経験が皆様にもあると思います。
これは一つ一つの要素は理解出来ても、全体像のイメージが描けていないことが一つの原因と考えます。それぞれは理解できたつもりでも、他との繋がりが想像できないので理解が限定的で中途半端な状況となります。
その状況では、何が一番自分にとって重要なポイントなのかという優先順位や何の情報が自分に不足しているのかが分かりにくくなります。
この時、インプット情報を一度自分の目に見える形にすることが役に立ちます。この視覚化の過程においてインプット情報を文章や表、図にすることが必要となります。インプット情報をすべて視覚化することはできないので、その上で欠かせないのが要約です。
要約は情報を圧縮するため下記過程が必要となります。
- インプット情報の再確認
- 各情報の重要ポイントの抽出
- 情報間の関連性整理
- 今回の活動の纏め
これらの過程は自分が何を得て何を感じたのかを客観的に振り返る機会となります。この振り返りは不足している情報や自分にとって重要と感じた事項の優先順位付け、自分が意識していなかった学びと感情に気づくきっかけとなります。
私の経験ですが、インプット情報を整理しようとすると、取り掛かる前では意図していなかった方向性や内容になることがあり驚くことが度々あります。これは脳内で考えるだけでは得られない面白さだと感じています。
自分はこうゆうことに関心があるのかという価値観の確認にもなりました。
現在記載しているブログも当初記載するつもりだった内容から順調に脱線し続けています;
このようにインプットから得られる効果や学びを強化してくれますし、それぞれの情報単体でバラバラインプットするより、視覚化のための要約によりまとまったストーリーとなるので各要素が相互に情報を補足しあい、記憶にも残りやすいです。
後日の振り返りが容易
視覚化による2つ目の効果は、振り返りを容易にできる点です。
一度整理することで記憶に残りやすくなりますが、それでも忘れてしまうことはあります。勿論、趣味なので忘れることで大きな問題は無いですが、再度インプットする時間が長くなるのは大きなタイムロスになると感じます。
再度忘れてしまった情報を確認したいとき、一度視覚化情報として整理しておくことで、その時間を短縮することが出来ます。また1から情報を調べ直すより、自分の言葉で整理された情報を確認する方が格段に効率化が可能となるのは想像しやすいと思います。
仮に要約に情報が漏れていたとしても、何が不足しているのかが分かりやすいので追加の確認も容易に出来ます。
読書を例とすると、再度本を探してどこに書いてあるか探してという段階で多くの時間が掛かります。これが図書館の本だと再び借りてと時間はどんどん必要になります・・・。
また、思い出す時以外の活用として、隙間時間に整理した情報を見返すだけでも楽しい時間となります。勿論これまでのインプットの量を視覚化できるので、積み上げてきた蓄積を実感できるという充実感/自信の側面もあります。
ただそれだけではなく、纏めた時から時間を置いてから振り返ることで、新しく気付くこともあります。見る時の感情や取り組んでいる活動の変化により、同じ内容からでも感じることは想像以上に変わります。
これは自分でまとめた情報から新たなインプットを得るという好循環であり、インプットを加速する財産となります。
自分が得た情報や知識を直ぐに活用できる状態に整理しておくというのは、趣味のみでなく仕事でも重要な視点と考えます。ものを探すというのが人生の中で最も無駄な時間の1つですからね。
またインプット情報同士を組み合わせてみるのも非常に楽しいです。普段直接関連しない分野を自分の関心という切り口から組み合わせるのは非常に刺激的です。
まだ、友人にも公言できていないほど非現実な範囲ですが、その振り返りによる分野の組み合わせから将来実現したい目標もチラホラ見えてきました。これはこれまで与えられてきた課題をこなすだけの人生であった自分からすると大きな変化と感じています。
友人との共有が容易
最後に記載する効果としては共有が容易であるという点です。
口頭で伝えるより視覚情報も加えたほうが伝達しやすいというのは分かりやすい点と思います。また、伝達方法も「事前に送っておく」、「画面共有しながら話す」、「文書情報だけ送り不明点だけ質問してもらう」と様々あるので、気軽に共有が可能となります。
これは自分のインプットが人の役にも立つ機会となるので、趣味を続けてきた意味を強く感じる経験となり、更なるモチベーションアップに繋がります。
また、教えるのが一番の勉強となるという言葉をよく聞きますが、これは趣味でも同様です。
人に伝える、教えるとなると正確な相手の役に立つ情報を届けるために、追加で情報を調べたりしたくなるのが心情です。
また共有内容に質問を受けた時はその質問や相手とのやり取りにより、自分だけでは思いつかない気づきを得られたり、自身では気付かない理解できていないポイントを見つけることが出来ます。
人に伝えることは追加の情報収集と、より客観的な視点により情報整理を促し、最終的には理解度を更に深めるきっかけとなります。
また少し視点を変えると、このような情報共有の場は友人とのコミュニケーション機会を増やします。様々な交流に制限が掛かる現在ですが、このようなお互いがGiveしあう関係というのは制限が始まる前と後で交流頻度は変わらない、寧ろ増えていると感じます。
お互いがお互いに貢献できると実感できるコミュニティはその瞬間の楽しさのみに収まらない、長期的な充実感と安心感をもたらすかけがいのない宝物となります。そのようなコミュニティ形成のきっかけとして、インプット情報の視覚化は役に立ちます。
まとめ
今回はアウトプット系の趣味に移行するきっかけのうち、「自分の活動を目に見える形で残したくなった」について触れました。
脳内のみで考え、記憶しようとするのは難しい作業です。記憶力に自信がある方は別とし、インプットを脳内だけで完結すると、不完全な理解や記憶となり、インプット情報を蓄積できているという実感を得にくくなります。
インプット情報をより効率よく蓄積し、活用するための取り組みとして、視覚化を始めた経緯と実感している効果を記載しました。
実際の経験を通して、目に見える形にすること、視覚化による効果は下記と考えています。
- 自分の気付きや感想を客観視できる
- 後日の振り返りが容易
- 友人との共有が容易
それぞれ、インプット情報を効率よく蓄積し、更に発展充実させる効果を持ちます。視覚化した情報はその後のインプット系の趣味の情報源にもなるため、効率性や充実感が好循環により加速していきます。
もし、取り組んでいる活動があまり自分の身になっていないなとお悩みの方は、インプット情報や活動を通した気づきの視覚化による整理をお勧めしたいです。
また、その分野に興味がある友人から教えてほしいと依頼があった時に、この纏めたマインドマップが非常に役に立ちました。これはインプットして整理した情報が自身のみでなく友人の役にも立ったので、非常に充実度の高い時間となりました。
「友人との共有」が容易という点はインプット情報の活用という側面も出てきます。このことはアウトプット系の趣味を実施するきっかけとして最も重要なポイントと考えており、次回はそこに切り込んでいきたいと思います。