「え?もう一か月経つの・・・?今年も早いなぁ・・・。」となる2月も油絵日記を書こうと思いますが、現在すでに3月中旬です笑 2カ月も遅延していた油絵日記も、作品の進捗にあわせた更新までもう少しに迫ってきました!
「タイムリーな更新という理想まであと目の前!」という喜びはさておき、2月に描いた作品の振り返りを進めていきます。このように振り返ることで、流れが速い時間の中で何が進歩できたのかを実感しやすく出来ます。
また主に独学な私ですが、だからこそその中での独特な試行錯誤や気づきが、読者の皆様の創作物の参考になる点があればと考えております。また読み物としても面白くなるよう目指しておりますので、是非お付き合いいただけると幸いです!
今回は千葉の旅行に行った際に撮った海の夕陽の写真をモチーフとしております。夕陽は自分の中で重要なテーマで、かつ光のコントラストが大きいので描きがいがあり、描いていてとても楽しかったです。
リツイートの波に乗れ、twitterではじめて200を超えるイイネもいただけたり、出来栄えも満足いく1作品となりました。好きなテーマということでブログの筆も走り、油絵日記としては久々の前後編構成です。
それではさっそく課題から振り返っていきましょう。
今回の絵の課題
太陽の光の強調
今回の写真で最も印象的なのは、太陽自体の光とそこから海へ伸びる光です。この光をいかに強く表現できるかがポイントでした。気を付けたのは光の上に下塗りを含めて余計な色を混ぜないこと、周囲の色との明暗の差を明確にすることです。
また宇都宮絵画教室ひだまりさんのブログで、光は白色ではなく光学的にいうと黄色である点を学んだので、明度と彩度を落とさないように注意しながら黄色を混ぜることも意識しました。
徐々に計画的な制作が習慣づいており、どこを明るくして際立てたいのか、そのためにはどこを暗くしたいのかが下塗りの段階で意識できるようになってきたのは大きな成長です!
波の動きの表現
また、今回波の表現も一つの課題として設定しました。波は動きがあるモチーフです。動きの表現は2021年11月の滝の絵でも課題としました。
動的なモチーフを描く経験が不足しているので、迫ってくる波の表現を目指しました。
波が迫る表現は個人的には2ステップで、1ステップ目は波自体があることを表現すること、そして2ステップ目は波に動きをつけることが必要となります。果たして両方のステップをクリア出来たのか?という観点でお楽しみいただけたらと思います!
雲の表現
雲の表現は完全にいつもの継続課題です。毎回色々と新しく学んだ知識を取り入れながら試行錯誤しているのですが、中々しっくり来ていません。
この方法で描けば思い通りに雲を表現できるという確実なテクニックを身に付けたいのですが、今回はそのヒントを得ることができるでしょうか?
雲の表現方法については毎回違う手法を無計画で組み合わせているのが、上達遅延の原因かも?・・・と考え始めています;
進捗
2022/2/13:作成開始
趣味全開の絵であるため、どう描くかのイメージが直ぐに決まりました。そのため、鉛筆での下書きは最小限で、ほぼ絵具で下書きしました。
そのため最初から完成形が予想できる反面、その分進捗における変化の具合は伝わりにくいかもしれません。この日記でどこを変えたのかを説明していければと思います。
まず空の中で太陽から遠い部分は青系と紫系の色を混ぜて暗めの雰囲気に。太陽に近い空と水面はカドミウムイエローを中心に中間的な色で下塗りしています。
紫系と黄色系の色の間の補色を活用することでコントラストを強めようとしています。また、特に奥側の水面の横に広がる明度が高い部分は、カドミウムイエローレモンに切り替えて、水面の中での勾配もつけようと試みました。
一方で雲や太陽の光が特に強い部分は、色の重なりによって明度が落ちないように、白地のままとしての他の部分を下塗りしました。
この時点での反省点は大きく二つです。
一つ目の反省点は水面上に伸びた光の左右でのバランスを考えていなかったこと。そのために、白い部分の左右でカドミウムイエローの濃い部分の縦軸に統一感がありません。
後日波を表現するため、この統一感の無さの修正にとても苦労しました。
二つ目は空における色の混ぜ方に改善が必要です。黄色系と紫系の色の境界部分の色が美しくないです。絵具を油に溶かし過ぎてしまったか、ファンを使わなかったことが原因か、この境界部分の塗り方は勉強しなおします。
また反省点というほどではないですが、「手前の砂浜や水平線左側の岩々をもう少し暗く表現することで、その他の部分の明るさをより強く表現できたかな」と、この振り返りの最中に気付きました。
2022/2/15:雲の色を塗り始め、空の色の境界をマイルドに
ここからオレンジを中心に雲を塗り始めました。周囲の明るさを強調するために雲の中心は暗めにしたかったので、青色系の補色を重ねています。暗めの色から徐々に明るい色重ねていく技法を試す予定でした。
明るい部分以外を塗り終えたことで、太陽の光が強い部分が相対的に明るくはっきりとしていることが分かります。
キャンパス後ろからの光が透けて、まるで太陽の部分が発光しているように見えます。
また水面にもウォーターブルーで水色の層を追加しています。この段階ではどのように波を表現すればいいかアイディアが無かったので、お試し感覚で広く大胆に塗っていますね。
空の色の境界がくすみがちであったので、マイルドになるようにウォーターブルーで色をかさねました。
ただ、太陽を中心とした画面の右側への光の放射の向きがずれてしまっています。筆を光の向きに沿って内から外へ描くべきだったでしょうか。
ただ太陽に近づくにつれて境界の幅の広さを狭めていくのは、外側から塗っていった方が表現しやすいので、定規等の目印を活用する方が現実的かなと考えています。
2022/2/18:光の強さと温かみを増す、最多のイイネ獲得
いよいよ太陽の光にも着手して本塗りと呼べる段階に入ってきます。
明るい部分はチタニウムホワイトをベースに、その周囲の色はカドミウムイエローレモンで塗ることで、白単色で塗るよりも光をくっきりと表現できました。
また海面状の太陽から伸びる光は、手前になるにつれカドミウムイエローレモンの割合を多めにして、遠近感の表現を目指しています。周囲の海面から浮きすぎていたので修正してしまいましたが、今振り返るとこの光の線は夕陽の温かさを感じる色合いで印象的ですね。
この光の線の表現は今後温かい日の光を表現しようとする際に流用できそうです!
また左側のこちらに向かう水面上の明るい二本の光の筋は、チタニウムホワイトを薄く塗って明るさを強めています。2/15の時と比較して大分雰囲気が変わりましたよね?
水面は波の表現のために、色の層をより細かく分けようとしたのですが、カドミウムイエローと青色系の色が混ざってしまっていますね。制作を焦りすぎたポイントです。
一方で空は左側を中心に青空と雲の境界がほどほどにくっきりするように青系の色を追加しています。
この境界を明確にし過ぎると、雲っぽさが無くなってしまうので中々難しいポイントです;
Twitterでの初バズリ(本人比)
またリツイートの波に上手く乗れたので、初めて200を超えるイイネをいただきました!
「平日夜投稿⇒ハッシュタグで創作物系拡散のアカウントにリツイートいただく⇒リツイート先の方にもリツイートいただく⇒ツイッターを開きやすい朝にツイートが広がる」という流れが今回の結果の要因と推測しています。
その後2ツイートで200を超えるイイネをいただきましたが、いずれも夜の投稿でした。特に今回は投稿が金曜日で、翌日が午前中ずっとツイートを開きやすい土曜日であったことも要因でしょうか。
ほぼ下書き段階でこれほどイイネがあると、良い部分を壊したくないというプレッシャーがありますね。一人で描いていた時には味わえない良い体験でした。
絵としては水面の綺麗さは2022/2/15時点の方があったと思うのですが、太陽の光がしっかり入った点と、水面に青色を足したことによるくすみで油絵特有の色の深みと懐かしさのような温かさを感じる雰囲気となった点が、目にとめていただきやすくなったのかなと考えています。
2022/2/23:光の表現に苦戦
このあたりから太陽周辺に伸びる光と水面の表現に苦戦しています。
まず太陽周辺の光ですが、明るさの表現のために近くだけ白くしようとすると青空の部分との色の変化が激しくて不自然になる。その不自然さを修正すると青いままにしておきたいところも白みがかり、色のバランスの土台となる暗めの青色が消えてしまうという試行錯誤がありました。その問題を往ったり来たりして結果的に23日の段階では18日に比べて大分綺麗になってきました。
ただその修正の過程で2/18時点で付けた黄色い輪郭が白で上書きされてしまい、太陽がぼやけた印象となってしまったことが分かります。2/18の方が絵として何を強調して描きたいのかが明確ですね。
またこの時期から水面について、光の線の左右で横向きの色の階層がずれていることに気付きます。この修正はペインティングナイフで削りながらの地道な作業となりました。
修正の甲斐もあって、波の階層が細かくなり、2/18の絵よりも波が迫ってきているような動きの雰囲気を表現できています。おそらく画面左端の横向きの線が左下がりでなく左上がりであると砂浜と平行になるため、この動きがより自然に見えたのではと振り返りの時に気付きました。
また雲も引き続き修正中で、このあたりから白系の明るい色を入れることを意識しています。左上に位置する雲たちは広く塗りすぎて、これまでの色が消えてしまっているのが反省点です。不透明色の取り扱いには注意が必要ですね。
左下の雲も同様に白を追加して明暗のコントラストにより立体感を出そうとしています。雲の左側は表現出来てきていますね。太陽に近い右側の先端部分は暗い部分が少なくなってしまったのでちょっと平面的です。また雲の先が3つに分かれていますが、間隔が一定過ぎて少し不自然という印象でしょうか。
自然物を描くときは、無意識で一定の間隔や大きさで描くことを避け、自然本来のランダム性を表現できるように描くべきだと勉強になりました。
続きは後編へ
筆がノリ過ぎて少し長くなってしまったので今回はここまでとして、続きは後編にします!
果たしてどのような作品となるのか? 今回の課題(太陽の光の強調、波の表現、雲の表現)はクリアできるのか?お楽しみにしていただけましたら幸いです!
それではまた次の記事で!