もうすでに2月も終わろうとしているのですが、2021年12月の油絵日記を更新します!
この機会がないと振り返りができず今回学んだ点と反省点の整理ができないので・・・。
今回の絵は友人からいただいた安曇野市の夕焼けの写真2枚です。
両方とも幻想的で素晴らしい写真ですね!今回の主役は夕陽が映えた雲にしました。
その分描くハードルは非常に高かったというのが描き終わっての感想です。
今回の絵の課題
2枚の写真の融合-新しい構図を作り出す
1枚目の写真の斜め上に伸びる雲の迫力と、2枚目の写真の帯のように広がる雲の雄大さが印象的でした。
どちらを描くか凄い悩んだのですが、両方の写真の良いとこどりをして新しい1枚を作るということに挑戦してみました。
基本的に今までは写真の構図をそのまま描いていたので、今後の作品の幅を広げるために必要なステップとして取り組みました。
遠近感を出す
2個目の課題は遠近感を表現して、遠くにある雲の雄大さの表現を目指します。
そのために手前の草原の表現をポイントとしました。
草を一本一本表現することで他のモチーフと相対した近さを表現出来ればなと考えています。
主役の雲を邪魔せず、色がお互いを高め合うよう注意して組み合わせてみました。
夕陽の雲の表現
これは継続的な課題です。夕陽をいかにきれいに表現するかというのは、日常の中の感動した景色を見つけるきっかけ作りという私の活動の目的のために重要な要素なので。
昨年の絵は上手くいきましたが、再現性を持って描ける腕はまだまだありません。
この時は油で薄く延ばした絵具をぼかし中心で描くことで表現しましたが、今回はしっかりと絵具を乗っけて立体感を表現出来たらなと思います。
絵の進捗
2021/12/4:下書き&2021/12/10:下塗り
課題1の通り新しい構図を作ってみました。その結果が下記の通りです。
今回主役となる雲を大きく表現するため、空の部分を広げることを目指しました。
そのために山と草原部分を控えめにしています。
2021/12/4の時点ではまだ構図を迷っており、12/10の時点で更に山を削っています。
下塗りは暖色と寒色となる部分を区別して塗り分けています。
2021/12/11:暗い色から塗ってみる
明度が低い色から高い色へ色を重ねていく手法を試してみようと思い、暗めの色から塗っていきます。
元の絵と比較しても暗い色で構成されていますね。
雲の赤よりのオレンジ色が青空との補色で際立ち、山の存在感もある印象的な構図なので、この方向性の絵もありだなと感じています。
山は遠さを表現できるようにぼやけた色で塗る一方で、雲を際立てせるために輪郭は明確にしています。
2021/12/16:雲の形修正&点描表現に挑戦
夕陽特有の白みがかった青空を表現するために白色とスカイブルーを混ぜた色で背景を塗りながら雲の形を修正しました。
そして、その上から明度が暗い青色を点描で塗ることで、自然な勾配を表現しようと試みました。
反省点としては油で溶きすぎてしまったので色の乗りが悪く、また暗過ぎる色を使ってしまったので近くで見ると見栄えがイマイチになってしまいました。
ただ今振り返って遠目で見ると、上の方へ青色が濃くなるという自然な勾配が出来ていたので、上記2点を改善してまた挑戦してみたいと思います!
ここから、雲には明度が高い黄色と白色を加えています。12/11の絵と比較すると、雲の立体感が出ていると思います。
一方で色の強さは12/11時点の方が強かったので、塗る範囲をもう少し控えめにしてもよかったかもしれません。
また、草原を明度の明るい黄色で塗り始めました。奥の山の色との対比で遠近感が出るようになったと思います。
2021/12/25:雲の色に苦戦しながら空の色を整える
右上の雲が写真と比較して形がくっきりし過ぎてしまっていたので、もやのようになるように白色とジョンブリアンを混ぜたオレンジとショッキングピンクで色を重ねました。
もやがかった感じになってきましたが、元の色の良さや立体感が薄くなってしまったので、まさに試行錯誤といった日々でした。
左の帯となった雲は形を整え、オレンジの強さを残しながら分厚さを表現することを目指しています。
明るい部分は黄色系を暗い部分は紫系を足すことで、立体感を強められていると思います。
一方空の色は近くから見てもきれいになるように点描の具合を弱めました。勾配を残しながら混色や暗い色でくすんでしまっていた箇所もカバーできたと思います。
草原は手前は形がわかるように、道を挟んだ奥は少し暗めな色の勾配が作れるように塗りました。
山とその手前の樹木の部分もカドミウムグリーンで塗り始めました。ここは補色を活用したり色を出来るだけ暗くして雲の赤みを強めながら奥行きを表現することを目指しています。
2022/1/1:完成に向けて各種調整
右上の雲はもや感を残しながら赤とオレンジ系を加えて立体感を出すことを目指しています。雲の中で色の勾配ができたので、存在感が強くなっていると思います。
左上の細かい雲は数が多すぎて大きな雲が目立たなくなってしまうので、半分程度に削っています。
左の雲は隙間が均等に入りすぎて人工的な印象を強めてしまっているので、閉じながら色の勾配を緩やかにしています。厚みを残しながら立体感を調整することで、山と比較したときに自然な遠近感となっていると思います。その一方でこの雲単体では12/25時点の状態でもいいかもしれません。
その他全体的に暗い色を原色で塗っています。全体的な輪郭がはっきりしたので絵全体が引き締まりました。
山の形をどう表現しようか悩みましたが、あまり描きこみ過ぎると距離感が無くなってしまうので、一部を暗い色で塗ることでの表現を目指しています。
2022/1/31:完成!
一旦2022/1/10で完成としたのですが写真映りがあまり良くなかったので、そのあと修正したこちらを完成版として記載します。
青空で雲の色と混じってくすんでいた部分を修正し、右上の雲は右端をファンを使ってぼやかし、空との境界が雲特有のぼんやりとした雰囲気になるように修正しました。
色も元の写真の幻想的な雰囲気になるように黄色系の色を加えて色を複雑化しました。
1/1の時の絵と比べると存在感が薄くなってしまった点が反省点です。この雲の表現は最後まで苦戦したポイントでした。
正月製作にあまり時間を割けなかったことも反省点です。社会人にとっては貴重なまとまった製作時間であったのに・・・。
今回の課題の振り返り
2枚の写真の融合-新しい構図を作り出す
新しい挑戦でしたがここは上手くいったと思います。
ポイントは何を主役にするかを最初に決めておいたことと考えます
この設定が無いと全体的にメリハリがない絵となってしまったでしょう。
今後も自由な表現ができるという絵画の特徴を活かしてより理想的な世界の表現を目指します。
遠近感を出す
遠近感の表現はおおむね出来たかなと思います。草原部分は草の形をもう少し明確に出来ればという反省点はありますが、色の明暗による演出は良い感じにできました。
山の輪郭をもう少しぼんやりできればより強く表現できるのかなと思いますが、技術不足と空と雲との境界をはっきしりしたかったので、ここはしょうがないと感じています。
あとは雲について、遠近感と立体感を同時に表現できればというところでしょうか。
雲の中で色の勾配をつけすぎると、明るさにより手前側にあるように見えてしまい遠近感が消えてしまいます。
遠近感が狂わない範囲での色の調整に気を付けたいと思います。
夕陽の雲の表現
オリジナルの幻想的な色は表現できなかったなと反省ポイントです。素晴らしい写真をいただいたのに、そこは申し訳ない・・・。
ここは自分の活動にとって大きな課題であり、色々勉強になった点や反省点も見つかったので今後の課題として取り組んでいこうと思います!
次回以降の課題
主な反省点と課題は下記2点です。そのほか進捗で触れた点描表現もしっかり勉強してから再挑戦したいなと考えています。
雲の表現
今回は何といっても雲の表現に苦戦しました。下記を改善ポイントとして今後の絵に取り組む予定です。
- 雲の部分は下塗りを控えめにする→混色により想定以上に彩度が低くなるのを回避する。特に明るくしたい部分。
- 溶かす油の量の調整→ぼやかすところは油が多くていいと感じていますが、色をはっきり残したい部分はあまり油に溶かさないように調整してみようと考えています。
- ファンを有効活用する:雲と空の境界をぼやかす一方で、やりすぎて色が混ざって濁らないように注意。
- 雲の核をしっかり決める:どこを暗くするかという基準を設定し、そこから相対的に色を決めることで全体のバランスを維持を目指します。今回は基準が曖昧であったため、計画的に色を塗ることができなかったと反省しています。
修正時の注意点
今回全体的に修正する箇所が多かったのですが、想定通りの色が出なくて苦戦したことが多くありました。
今後の修正は必要に応じてペインティングナイフ等で削ってから、続きの色を重ねてみようかなと考えています。
また絵具が乾いてから続きをやることを気を付けていましたが、まだちょっと待ちが足りなかったようです・・・。
待っている間は複数の絵を同時並行したり前の絵を修正したりして、はやる気持ちを抑えられるように精進します!
次回作
次回はまた別の友人からいただいた写真をモチーフに取り組む予定・・・というか完成しています笑
いつもと雰囲気が違う作品となっていると思います。その中で気付いた点が今回の絵の修正に役立ったので、新しいテーマの絵に挑戦し続けるのは大事ですね。そちらの日記も急いで作っていきます。
作成日記は滞っていましたが、書いていて自分の課題を整理する上で重要だと再認識できました。
なんとか遅延せず、記憶が新しい内に作っていきたいと思います・・・!
それではまた次の記事で!