前回の日記に引き続き軽井沢の白糸の滝を描いていきます。
今回は11/14から完成までの進捗を振り返っていきます!
課題の滝と水面の表現、そして落ち着いた雰囲気の中でメリハリを付けられるかが課題です!
本塗へ移行
2021/11/14:暗い部分を描きこみ
水底が全体に明るくなりすぎてしまい、奥行きが表現できていなかったので、イエローオーカーとローアンバーとビリジアンを中心に暗い部分を塗っていきました。
水中感を出すために、奥側は岩の輪郭が明確にならないように薄く油で溶いた絵具をファンで塗っています。
滝より手前に色のメリハリがなく平面的であった11/12に比べると、滝までの距離と奥行きが出てきました。
同時に岩壁の暗い部分を プルシアンブルーで塗り奥行き感を強め、滝も絵具を重ね過ぎた部分を削りながら調整しています。
ちょっとやりすぎてしまったので、滝の形の修正が今後の課題になりました;
また、岩壁の上の樹々の部分も、アクセントとなる暗い色を追加して、色のメリハリをつけ始めています。
12日時点では色の変化が少なかったので平面的な印象でしたが、14日時点では立体感が表現できていると思います。
2021/11/16:一旦明るい部分を重ね塗り
11/14の塗りで画面全体が暗めの雰囲気となってしまったので、明るい部分を強調できるように滝上の樹木にはチタニウムホワイトとローズ、水底にはイエローオーカーとカドミウムイエローで色を足しています。
目的の色に対し明るい色と暗い色を行ったり来たりしながら調整しました。その分、自然ならではのランダムな色の濃淡へ近づけることができたかなと思います。
一方、当初試そうと思っていた暗い色を定着させてから、明るい色を重ねていく手法は試せませんでした。まだ、最初から適切な色を選択するスキルが不足していて、どうしても行ったり来たりの調整が必要となりました。
2021/11/12と比べると、滝上の樹木の立体感と凹凸が、水底については奥行きが表現出来ているのが分かります。
特に水底については滝からそのまま1つの平面で上下に続いているようにも見えた右側の部分が改善されました。
2021/11/14:立体感は出てきたけど全体が暗く限定的 2021/11/12:滝壺までの奥行きを感じない 2021/11/16:水面の手前と滝壺の奥という遠近感が出てきている
一方、全体的に暗い部分が減った分、水位が減ったようになってしまった部分は修正が必要です。
岩壁のコケの表現もここから始め、本塗も後半戦が見えてきたかなと思います。
2021/11/18:水底表現の上達
大分水底の色が本物に近づいてきたと感じます。
チタニウムホワイトにより水面の滝からの光の反射を描き足すことで、水面感があがりました。
奥側は遠近感をだすためにティッシュでこすって線を曖昧に、また滝に近いので反射を強く表現するため量を多めにしています。
一方手前側は線自体はくっきり、滝からは遠くなるのでチタニウムホワイトの密度は少なめになるように調整しました。
また、16日の絵は水が枯れているようにも見えますが、暗い部分にビリジアンとローアンバーで描き足すことで水底までの距離とぼやけを表現出来、水位があるように見えてきました!
水面の明るい部分と暗い部分、そして水底の暗さとのギャップ、そして、水中の屈折によるゆらぎやぼやけを表現することが水底を表現する上のポイントと学びました。
2021/11/18 2021/11/16
岩壁についても、全体のメリハリを付けるために暗い部分をプルシアンブルーで強調しています。
これにより中央のオブジェが明瞭となったため、そこを中心として絵全体の構成や遠近感も相乗的に明確化しました。
また、滝の形も霧が晴れたようにはっきりしてきましたね。
2021/11/19:水底を本来の色に近づける
全体的に緑色が強くなってしまったので、イエローオーカー、ローアンバー、カドミウムイエローを使って水底の岩の色を本来の色に近づけていきます。
これにより、滝に近い水面上の岩盤の深い青色の反射が明確化され、岩盤との距離感が表現できます。
大分実際の水底の雰囲気に近づけたのではないでしょうか?
2021/11/19 2021/11/18
その他、岩盤の上の樹木について、明暗をハッキリさせるため、ローズやイエローオーカーとローアンバーを中心に暗い部分を塗っていきます。
左に伸びている部分は大分メリハリや遠近感を付けられましたが、中央部分は全体的に平面のようになってしまった印象です。
これは観察不足によるもので、どこを明るいままにするべきかの見極めが不足しており要反省ポイントです。
2021/11/20:水の流れの表現を目指す
水面の明るい部分と暗い部分を線として塗っていくことで、水の流れを特に右下の部分で表現できるようになりました。
ここでも手前はくっきり、奥はぼんやりを意識しました。
ここが今回の作品で一番うまくいったポイントかもしれません。
ただし、本来の絵と比べると水の流れが斜めになりすぎてしまったので、そこが悔やまれる点です。
白糸の滝の放射状の滝の性質上、右からも水は流れてくるので、ここまで傾くのは違和感があります。
水の感じはこの時が一番いいと思っているのですが、線を修正するために加筆が必要となってしまいました。
2021/11/20 2021/11/19
一方、Twitterではハッシュタグの流れに乗ったおかげもあり、有難いことに100イイネをいただきました。
今回課題の水面と水底部分の表現での手応えが独りよがりではないと感じた部分でもあります。
2021/11/23:微調整中
水面と水底の表現が思うより上手く出来たので、この辺りから微調整に入ります。
観察不足という悪い点を改善するために慎重な修正を心掛けていたので、更新箇所は間違え探しレベルです笑
ここでは主に滝の水量が多い箇所をペインティングナイフで削っています。
また、滝下の水しぶきも滝の流量と合うように削って修正しています。
2021/11/23 2021/11/20
また滝の上の樹木は、不自然に暗くなってしまったところを修正し、立体感が復活できるように修正しました。
この修正で左側が実際のモチーフと同じように、樹木の中で相対的に手前に飛び出してきているようになっています。
また、左端の岩壁は薄く白を散りばめたかったのですが、中々思い通りにならず苦戦中です・・・。
完成!
2021/11/29
水の部分は主に下記を修正しました。
- 滝下の水しぶきの密度を調整して、水がはねた後の動きを表現
- 水面の滝の反射を調整するため、滝の近くの白を強めに、手前側の白を控えめに
- 滝からの反射がある部分を明るく、それ以外の部分を暗めに
- 水底の色を本来の色に近づけ、手前の色を明るめに調整
- 水の動きをモチーフに近づけるため、線と波の向きを斜めではなく横向きに修正
個人的に水面の反射と滝の水しぶきは結構うまく修正できたと手応えを感じています。
一方、水底の部分は11/20時点の表現がよかったかなと反省しています。
岩壁も全体的にいじっており、特に画面右側の苔と凹凸、そして、中央少し右の水が流れている薄く明るい表現が上手く出来たと感じています。
一方左側の岩壁は線が強く残りすぎており、自然な表現ができませんでした。白系が混じった石や岩の表現が難しいなと感じており、次回以降の課題です。
また画面左上のこれまであまり手を付けていなかった樹々の切れ目の部分をここで一気に手を加えました。
進捗にムラが出てしまったのも反省ポイントです。
課題の振り返り
今回の絵の課題は大きく分けて「滝の表現」、「水面の表現」、「落ち着いた絵の中でのメリハリ」の3つです。
滝の表現
滝という動きのあるモチーフに挑戦してみました。
水しぶきは思ったより上手く出来たかなと思います。
滝の水量と水しぶきを合わせられるように調整したのと、水面からの跳ねを意識して、筆の動きを下からにしたのもよかったのかもしれません。
一方、滝自体の動きはイマイチ表現できなかったという思いがあります。
この表現は川などの動きのあるモチーフへの挑戦を増やしていき、克服していく予定です。
また、今回はチタニウムホワイトだけで描きましたが、違うモチーフで多様な色の使用を試してみたいです!
水面の表現
水面の明るい部分と暗い部分を線状に塗ることで、水面度があがるというのが今回の学びの最大の収穫です。
また、今回は滝からの反射の光や岩壁の反射を考えることで、対象物との距離感を表現し、遠近感のある絵とできたと思います。
そして、水底の暗さを調整することで、水面だけではなく、水面から水底までの水位を表現できることも気づきました。
元々計画していた暗い色→明るい色という順序は守れなかったのは、反省点のような、そのおかげで色々学べたような、複雑な感じです笑
落ち着いた絵の中でのメリハリ
今回は冬の静かな落ち着いた絵を選択したので、使える色の幅が狭かったです。
その中でいかにメリハリをつけるかが課題でした。
開始前に検討していたのは輪郭線の活用とモチーフに無い色を選択を考えていました。
輪郭線の活用は水底の表現で使いました。どちらかというとメリハリよりは遠近感の表現になったでしょうか?
モチーフに無い色を使うのは、実際やってみると今回の絵では難しかったので断念しました。
使用している色の幅が狭いせいか、補色を使うと悪目立ちしてバランスが崩れてしまいました。もしくは使う色を少しソフトにした方がよかったかもしれません。
中央のモチーフ、今回で言うと中央の岩盤をしっかり色づけることで絵全体の締まりが出てくるというのが勉強になりました。
また、岩盤の上の樹木は白系の中での明暗で立体感を表現できたので、そこもよかったです。
次回以降の課題
灰色系の岩の表現
青色系の岩はなんとか表現できるようになったのですが、灰色系や白を基調とした岩の表現が苦手な状態です。
灰色系の色は使うのが苦手なんですよね・・・。自然な岩の感じや色の勾配を表現できないので・・・。
ここは製作過程を公開されている方の手法や使っている絵具を参考にして勉強していきたいと思います!
水の流れの動き
今回、滝自体で水の動きを表現できなかったので、追加の練習が必要と感じ、今後も積極的に採用するテーマとしたいと思います。
絵という静止画の中で、いかに動きや時を表現できるかというのは表現の幅を広げる上で重要だと感じています。
本来同居できない要素をいかに融合するかというのも、人に感動を与えるアーティストを目指す上での課題です。
ペインティングナイフでの塗り
最近、ペインティングナイフは削る専門で塗る方に利用できていないので、技術を身に付けるためにも、練習が必要と考えています。
次回の絵では、下塗りで積極的に活用する予定です!
次回作
次回は友人からいただいた夕陽の写真をテーマにする予定です。
非常にすばらしい写真なので、自分の技量で表現できるか再び不安です笑
また、作成と上達のスピードを上げるために、同時並行で作品を製作したいと考えています。
そちらはちょっと抽象的な絵に挑戦して、自分の絵の幅を増やしていきたいと思います!
それでは次回の日記で!