どうもです!前回から引き続き、マシュー・サイド氏の「多様性の科学」(株式会社ディスカバー・トゥエンティワン)の読書日記となります。
前回は概要となぜ多様性が重要であるかという点を整理しました。
今回は、多様性を活かすためにはどのような点に注意すればいいかという点にフォーカスして学んだ点や興味深かった点を整理出来ればと思います。
それでは早速本題に入りましょう!
最も重要と感じた点:不均衡なコミュニケーションが多様性を殺す
組織は多様性がもたらす恩恵を抹殺しがち
個人的に最も重要と感じた点は多様性を活かすための組織の在り方であり、その中でも自由なコミュニケーションが必要となる点でした。
多様な人材を折角揃えても、その意見が表に出て適切に評価されなければ意味がありません。
しかし、人は自分もしくは組織の主流と異なる、もしくは突飛なアイディアを受け入れるのが難しいという特徴があります。
前回整理した「LISTEN」でも学んだ通り、人は自分が否定されるのではないかという恐怖心から反対意見に耳を傾けず封殺しようという衝動が生まれがちです。
失われつつある聴く力を取り戻そう!更に人は多様性が少ない集団での議論をより好みます。たとえ、その成果が芳しくなくてもです。
コロンビア大学・ビジネス・スクールのキャサリン・フィリップス教授が、チームを友人3人他人1人を混ぜたものと友人のみ4人で構成された2つに分けて1つの課題を議論してもらった調査があります。
結果として、他人を1人混ぜたチームの方がより高い成果をもたらしましたが、参加者の感想は反転しました。
前者の他人を加えたチームでは視点の違いにより反対意見も多く出るため、大変さを感じたと回答しており、出した答えに対しても自信を持てていませんでした。
一方で、友人同士のみで構成したチームでは、成績が芳しくなかったにもかかわらず、同意し合いながら順調に議論が進んだため有意義な時間と感じ、回答への自信も強く持っていました。
これは、画一的な集団に認識の死角が発生していることも確認できる結果となります。
会議では異なる意見による視野の拡大やアイディアの融合を目的としていますが、参加者にとってその源泉となる異なる反対意見や多様性は回避したい存在と感じてしまうのです。
そのため反対意見を出しにくい環境を形成してしまったり、そもそも耳を傾けないという状況に陥りがちであり、多様性による恩恵を上手に活かせません。
支配的なリーダーはどれほど素晴らしい人物でもチームの可能性を奪う
また、支配的なリーダーの存在も多様性を活かすための障壁となりがちです。
支配的なリーダーは、その経験値や専門性、もしくは明確な役割の線引き(危機的状況ではリーダーの言葉に必ず従うことというルールも含む)からメンバーが自分の意見を出しづらくさせる影響を持ちます。
こうなると、メンバーは徐々にリーダーの指示通りに従うだけの存在となり、各メンバーの個性は失われてリーダーと同質化していきます。その結果集団の多様性も失われてしまうのです。
1点注意が必要なのはこの支配的なリーダーは高圧的な人物を想像するかもしれませんが、そうとは限らないという点です。
仲間想いで責任感が強いという、一般的に優れているとみなされるリーダーでも、このような事態を巻き起こす可能性があります。
むしろ、信頼感のあるリーダーであるからこそ、メンバーはリーダーの言うことを盲目的に信じ、自分で考える習慣が無くなり、意見を出さなくなってしまう場合もあるのです。
経験豊富で信頼豊富なリーダーはその存在だけで説得力があるように感じますね。
「この人の意見なら大丈夫だ!」と批判的な思考を停止してしまった経験があるなと思い返されました。
リーダーはメンバーが各自の発想に基づき自由に意見を出し、彼らの多様性を活かすためのチーム作りが出来るよう注意する必要があることを学びました。
2種類のヒエラルキー
チームで多様性を活かすためには二種類のヒエラルキー、「支配型ヒエラルキー」、「尊敬型ヒエラルキー」が存在することを理解することが重要です。
ヘンリック氏と心理学者のジョン・メイナー氏が整理した両者の違いの一部を抜粋します。
- 支配型ヒエラルキー
- 古代からの仕組み
- 当人から尊敬を求める
- 強制・威圧・攻撃・褒美・罰による影響の操作
- 社会的な人間関係は社会的地位を得るためのご都合主義でその場限りのもの
- 尊敬型ヒエラルキー
- 比較的小さな狩猟採集社会で暮らしていた人類特有の仕組み
- まわりが自由に判断して敬う
- 心からの説得・相手に敬意や好意を表す・ロールモデルになることで影響を与える
- 社会的な人間関係は本物の恒久的な提携を結ぶ
支配型ヒエラルキーは多様性を縮小させるのに対し、尊敬型ヒエラルキーは多様性が活きる環境作りに寄与します。
ただ難しいのは、尊敬型ヒエラルキーが常に好ましいかというとそこまで単純な話ではなく、やらなければならないことが決まった後、目標に向かって突き進むには支配型ヒエラルキーが効率的で優位となります。
エネルギーと時間は限られるので、常に細かく意見を求めるわけにもいきません。
そのため状況に応じて、支配型と尊敬型を使い分ける必要があります。
前述の特徴分けをしたジョン・メイナー氏はこの二つのヒエラルキーを「性格」ではなく「テクニック」としてとらえ、下記の通り使い分けることを推奨しています。
たとえば現代の組織において、ある決断がなされ、それでやっていくしかないとなった場合は、支配型が理にかなう。リーダーはチームを鼓舞して、片付けるべきことを片付けるのが得策だ。異論や多様な意見は雑音でしかない。しかし決定事案をそのまま実施するのではなく、考え直したり、新たなアイデアを出したりする必要がある場合は、支配型ではうまくいかない。ここでは尊敬型のヒエラルキーがカギを握る。つまり「反逆者のアイデア」をリーダーが自分に対する脅威と受け止めず、報復もしない、誰もが自由に意見を出し合える環境が重要なのだ。
マシュー・サイド 多様性の科学 p155
どちらが優秀なリーダーというわけではなく、この両方を使いこなすのが優れたリーダーとなるのです。
個人的には緊急度の高く、チームとしての方針が定まったものについては、明確な指示や目標の設定による支配型ヒエラルキーを、それ以外の緊急度が低い課題についての取り組み、方針や方向性を決める段階、日常のコミュニケーションについては、尊敬型ヒエラルキーを意識するとバランスが取れるのかなと想像しています。
自分をありのままに表現できる環境づくり:心理的安全性
多様性を活かしてメンバーの力を最大化するためには、意見を自由に言いやすく自分をありのままに表現できる環境づくりが必要となります。
その1つのキーワードとなっているのが心理的安全性です。提唱者のエイミーC・エドモンドソン氏によると心理的安全性の定義は下記の通りとなります。
心理的安全性とは、大まかにいえば、「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のことだ。より具体的に言うなら、職場に心理的安全性があれば皆、恥ずかしい思いをするんじゃないか、仕返しされるんじゃないかといった不安なしに、懸念や間違いを話すことができる。
恐れのない組織-「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす p14-15
「恐れのない組織」については、過去の本ブログでも読書日記をまとめているので、心理的安全性についてはこちらもご参照ください!
アイディアや意見を自由に交換するために必要なものとは?-読書日記今回の日記では、本書で紹介された心理的安全性を高めるのに有効な手段を一部整理してみます。
発言頻度や順番に気を付ける
人はその場の会話を支配しようとする傾向があります。
そのため気付くと会議では一部の人しか発言していない状況が生まれがちです。
そのため、全員の発言状況を確認し、発言に参加できていないメンバーがいないかに注意を払う必要があります。
特にリモート会議だと、相手の表情や空気が読みにくいので、より発言をしづらい印象です。
また、ただ発言機会に気を配るだけでは不十分となります。人は他の人の意見に影響される生き物です。前の人の発言を元にして意見を出すため、視野が狭くなっていき、同調の意見ばかりが出やすくなります。
特にリーダーや経験者など、影響力が強いメンバーの発言の後ではその傾向が強くなります。
このような状況を回避するには、若手や発言力が弱いメンバーへ優先的に意見を聴く問いかけをし、その意見を否定しない姿勢が必要となります。
また、視野を広げたり、別の視点で物事を考える問いかけを挟むという工夫も重要になるでしょう。
あえて、反対意見を言う「反逆者」の役割を指名し、決まりそうな事項について見落としが無いかを確認するきっかけとするのも手段として考えられます。
意見を出しやすくする質問がここでは重要となります。
「あえて、反対意見を出すとすると何だと思う?」や、反対が強い表現と感じれば「どこを改善すればより良いと思う?」、「懸念されることはある?」など間接的に聞くことも必要でしょう。
人間のバイアスや先入観を考慮した仕組み
また、人間のバイアスや先入観は非常に根深いものです。
自分と似た意見を選ぼうとする衝動に意志の力で抵抗するには限界がありますし、多様性にこだわりすぎると内容の中身よりも多様性に偏重した選択となり、それはそれで逆効果を生んでしまいます。
この問題点の解決法として、誰の発言か特定できない状況を作り、アイディアを出し合いメンバーで精査をするブレインライティングも一つの有効なアプローチです。
ブレインライティングは各自のアイディアを紙に書きだし、全員が見える形で壁に貼りだして投票する方法を取ります。
そして、選ばれたアイディアについて深堀したり、選ばれなかった他のアイディアとの組み合わせを検討しながら、アイディアを膨らませていきます。
筆跡も考慮するなら、エクセルやwebフォームで匿名で意見を集めるのがより有効でしょうか?
この手法であれば、全てのメンバーのアイディアを全員に共有でき、そのアイディアを偏見を排除して評価することが可能となります。
人間の特性は多様性の活用を妨害する時があります。その特性を無理矢理押しこめるのではなく、その特性を受け入れた上で影響を少なくするアプローチの検討が重要となります。
面白いと感じた点:ネットで繋がりが広がった現代で多様性が活用されない理由
多様な意見に触れる機会があってもそれを活かせるとは限らない
現代社会ではインターネットやSNSが発達し、海外も含めて多様な人とコミュニケーションを取ることが可能となりました。
その結果、人々は多様な人と交流して多様性の恩恵を受け入れられているでしょうか?
筆者は、交流できる人の選択肢が多くなればなるほど、自分と同じタイプの人間とのみ交流を深めるという数と多様性の逆説関係を指摘します。
筆者は総学生数3万人のカンザス大学とその近辺の400-1,000人と小規模の4大学を比較した研究結果を紹介します。
人が多いほど多様な人と交流することが予測されますが、結果は真逆で、カンザス大学では他の大学の生徒と比較して、より自分に近いコミュニティとばかり交流していたことが分かったのです。
研究を実施したバーンズ氏は下記の通り指摘します。
小規模な大学では選択肢が少ない分、自分と異なる人間とつながりを持つ必要性が出てくる。しかし大学の規模が大きければ、それだけ自分の社会的ネットワークを「微調整」するチャンスも得られる。妥協せずに、できる限り自分と似た人間を探し続けられる。
マシュー・サイド 多様性の科学 p233
この結果より、現在インターネットのあらゆるテーマで分断が起き、その主張が交わらない理由の一端が分かります。
インターネットが広がる前は現実で生活できる範囲で人間関係を形成する必要がありました。そのため、多少相容れない部分があっても他に選択肢が無いため、障害を乗り越えてでも交流をする必要がありました。
一方でインターネットやSNSが発達した現代では、自分と同じ趣向を持つ人間を無限に近い選択肢から選ぶことが出来ます。
インターネット上の関係は、現実世界への影響も限られるため、自分にとって居心地が悪い趣向が異なる人と交流する必要性も理由もありません。
この結果、各自自分と主義主張好みが合う人達同士が結束を高めていく一方、その他のグループとの交流は生まれないため意見をすり合わせる機会すら生まれません。
この状況を促進する現象として筆者はエコーチェンバー現象を紹介します。
エコーチェンバー現象
エコーチェンバー現象とは同じ意見を持つ人同士でコミュニケーションを繰り返すことで、特定の信念が強化される現象です。
インターネット上のコミュニティでは、同様の人間のみで構成された画一的集団となりやすくなるため、エコーチェンバー現象が発生しやすくなります。
これが趣味の範囲であれば問題にならない現象でしょう。
自分の好きなものにより熱中出来る要因ともなり、楽しみを広げます。趣味で意見が合わない人無理に付き合って疲弊する必要もないですからね。
しかし、これが政治的、社会的な複雑な話題について情報を探す場合は、話が変わってくると筆者は主張します。
エコーチェンバー現象が認識の歪みを生むのです。
まずSNSで触れる情報は自分がフォローした自分と考えが似ている人の情報であふれています。
また、現在の検索アシスト機能は自分の好みの情報が自動的に上位に表示されやすくなっています。
インターネットはその仕組み上、偏った情報に知らず知らずの内に囲まれている状況が発生しやすいのです。
その結果、限られた情報で判断するため思考や信念は修正の機会を失ったまま、偏った方向へ強化されていってしまいます。
エコーチェンバーの恐ろしい効果
また、エコーチェンバーは2種類のフィルターがあるとされています。
一つ目は情報のフィルターです。これは前述の通り、触れる情報が偏った情報となることで、自分への反対意見を目に入りにくくするフィルターとなります。
二つ目は信頼のフィルターとよばれ、信頼する相手を固定してしまうことで発生します。
情報を入手した際に、その情報を信頼できるかどうかで受け取るかどうかを判断しますが、その信頼には根拠が無いことがほとんどです。情報化社会では受け入れるすべての情報の正当性・妥当性を検討している時間が足りないためです。
エコーチェンバーの中にいると、この信頼先が自分が支持する主張や指導者に固定されてしまい、それ以外の情報や反対意見は自分たちの正当性を攻撃するフェイクニュースと認識されてしまいます。
戦略的な指導者は、反対意見を自身らへの攻撃だと賛同者に刷り込みこのフィルターを効果的に植え付けます。
その結果、反対派のすべての意見は検討に値しないくだらない情報とラベル付けされてしまうのみでなく、フェイクニュースで攻撃されるという対象となると認識することで、むしろ自身らの正当性を強化する材料にすることでエコーチェンバー現象はまずます強まり、両者の溝は深まり続けます。
情報のフィルターに信頼のフィルターを重ねて認識の壁を築き上げれば、集団内には並外れた結束力が生まれる。(中略)エコーチャンバー現象では、反対意見に触れることでいっそう狂信的になる。それによってすでに二極化した派閥はさらに溝を深める。一方にとって、もう一方の情報やデータは常にフェイクニュースだ。
マシュー・サイド 多様性の科学 p244-245
このようにしてエコーチェンバー現象により、インターネット上で人々の分断は広がっています。
自分も多かれ少なかれこのエコーチェンバー現象にかかっているのだと気づきを得られ、強く印象に残りました。
自身の見ている情報はそもそも偏っていないか?を自問し、偏見を捨てて反対意見を自ら探しに行く姿勢も重要でしょう。
私も含めインターネットで情報を発信している時点で、何か示したいメッセージがあり、良くも悪くも偏りがあるはずです。
また、信頼のフィルターを壊すには、少し苦労が伴っても自身と異なる意見を持つ人と交流する機会を持ち、人間関係を軸とした信頼を築くことで、幅広く意見を取り入れる姿勢を身に付けることが重要であると感じました。
これは現実でもネットでも同様に重要であり、複数のコミュニティに参加し、異なる属性、認識を持つ人と積極的に交流し、相手の話を丁寧に聴く機会を増やしていこうと決意しました。
行動に取り入れるには
筆者は日常に多様性を取り入れるために下記3つのポイントを紹介します。
- 「無意識のバイアス」を取り除くこと
- 陰の理事会:若手が上層部に意見を言える場
- 与える姿勢
このうち、3つ目の「与える姿勢」について少し掘り下げていきたいと思います。
筆者は他者とコラボレーションする上で、相手から一方的に恩恵を貰いに行こうせず、こちらも自分の考えや知識を共有しようとする姿勢が多様性を活かすために大事となる主張します。
人からものを貰うおうとする傾向が強い人をテイカー(Taker)、人にものを与えようとする傾向が強い人をギバー(Giver)と呼びます。
興味深いのは、そのどちらが得をするかという実験で、最終的にはギバーが得をするという結果も報告されています。
ギバーとテイカーに関しては、心理学者グラント氏のTED Talkがありますので、興味がある方はそちらも是非ご参照ください!
筆者は「与える人が成功を収める」という法則は、テイカーが勝利するケースもあるので常に成り立つ絶対的な法則ではないと断りを入れつつも、最終的にはギバーが利益を得ているという研究結果が幅広い分野で報告されている点を指摘します。
そして、多様性という観点でもギバーの姿勢は重要となります。
ギバーは、与えるという姿勢により長期的に多様な人間関係を形成しやすいため、幅広い分野の人から意見を聞きやすく多様性の恩恵を引き出す効果があります。
一方で貰うだけの関係では、利害関係によるその場限りの関係になりやすくなります。
3年間連絡を取っていない友人からの助言と自分のプロジェクトにいるメンバーからの助言のどちらが有効であったかを調べた研究では、3年間連絡を取っていなかった友人の方が斬新で有用なアイディアを貰えたという驚きの結果が報告されています。
ギバーは斬新なアイディアの源泉ともなる交流関係を幅広く維持しやすいという傾向があり、必要に応じて助言を求めたり、ふとした会話からアイディアを得ることが可能となります。
筆者はグラント氏の主張を下記の通り引用します。
自身の知識や創造的なアイデアを人と共有しようという姿勢でいると、大きな見返りが求められる。その場限りでなく、長いときを経ても。グラントは言う。「社会通念によれば、大成功を収めている人々はみな、モチベーション、スキル、チャンスの3つを持っているという。(中略)[しかし]実は4つ目の要素がある。他者との接し方だ。できる限り[自分のために]価値を得ようとするか、それとも他者に価値を与えようとするか(後略)どうやらこの選択が、成功を収められるかどうかに圧倒的に影響をもたらすようだ」
マシュー・サイド 多様性の科学 p340
以上を踏まえると、ギバーという姿勢が多様な人間関係を気付きやすく多様性の恩恵も受けやすい傾向があると言えるでしょう。
ギバーは一方的に搾取される「タダ乗り」を回避するための努力も必要である点も筆者は指摘しています。
自身が相手からの利益を搾取しているだけの存在になっていないか、周囲に主体的に与える側の存在になっているか注意を払い、また与える源泉となる知識や経験を蓄積するため勉強や挑戦を怠らないようにしなければと意識付けできました。
一方で、与えるということに固執して、相手のニーズに合わないものの押し付けや、教えようという気持ちが先行し相手を無知のように扱うような失礼な態度とならないように注意が必要だなとも感じました。
終わりに
以上、マシュー・サイド氏の「多様性の科学」(株式会社ディスカバー・トゥエンティワン)の読書日記でした。
前回のLiestenの時も感じましたが、人の性質を乗り越えて、理想のコミュニケーションをするのは難しいですね。
しかし、その性質に気付いて対策をしないと、閉鎖的で排他的なコミュニティを無意識に形成してしまいます。
多様性の恩恵とその障壁への理解を深め、個人の経験そして組織の多様性をどのように増やしていくかアプローチを検討することは、現代の複雑で変化が激しい社会を生き抜く上で重要な要素となります。
反対意見を引き出しやすい環境を作ること、意見をしっかりと受け止めて成果の最大化に活かすこと、そして、個人としての多様性との交流を増やし、相手の発言の意図や背景を偏見無く素直に受け取ることを意識し、少しづつ取り組んでいきたいと強く感じました。
特に日本は外国人の数も限られ閉鎖的である上に、欧米に比較し意見を出すことを好まれない文化を持っているので、多様性への取り組みがより重要となるはずです。
「自分の所属する組織の多様性は十分であるか?」、「反対意見を引き出し生かす環境が整備されているか?」、「絶対的なリーダーや組織の方針により画一的集団が生まれていないか?」、「自分の触れている情報に偏りが無いか?」、「信頼のフィルターを掛けて物事判断していないか?」など、非常に重要な自問を得た一冊でした。
皆様はいかがでしょうか?気づきが得られる点が1つでもあれば幸いです!
それではまた次の記事で!