油絵の進捗日記-2022年3月

三寒四温ということわざの通り、服装の調整に悩む季節となりました。皆様は春の訪れを感じておられますでしょうか?私は近所の河川の満開の桜が見れたので今年は満足です。

1時期2-3か月のブランクがあった進捗日記ですが、なんとか追いついてきました。追いついたところで満足せずしっかり継続してまいります!


作成当時の記憶が鮮明な内に書くためにも、タイムリーな更新は大切ですね。

今回のテーマは季節感完全無視で紅葉色づき始めた山を背景とした川の写真です。こちら長野県の松本に住む友人に案内してもらった映えスポットの一枚です。

雄大な山々を背景として、紅葉のグラデーションが広がる見事な風景でした。まだ上手く描くことができない、樹々や河川敷などのモチーフがあるため勉強になる一枚です。また、遠近感をしっかり表現できるかというのもこの一枚の雰囲気を大きく変える大切なポイントです。

それでは早速振り返ってまいります!

今回の課題

樹々と紅葉の表現

現在の課題の一つとして、樹々を上手く描けるようになりたいです。葉っぱのついた樹々をまだ立体的に描けず、さらに紅葉のグラデーションを付けることはさらに難易度が上がります。

下記は2021年夏ごろに描いた作品です。樹々が平面的になっており、紅葉の鮮やかさの表現もイマイチかなと感じております。

紅葉した樹々が平面的な印象。上半分の色使いも不自然で紅葉の鮮やかさを上手く表現できていない

今回は色の明暗彩度を徐々に変えながら塗り分けることで、自然な勾配を保ちながら樹々の茂り(立体感)を表現したいです。また、計画的に段階的に色分けすることで、鮮やかな紅葉の表現を目指します。

河川敷の表現

灰色を基調とした砂や岩場の表現が油絵を始めた時からずっと苦手でした。どうしても思った通りの灰色を表現できず、不自然に白っぽくなったり、黒っぽくなったりと試行錯誤していました。この写真を撮ったのは11月だったのですが、実際に油絵に取り掛かるのに4か月近いラグがあった理由の一つにこの苦手意識がありました。

しかし、下記の宮古島のドイツ村を描いた作品で、アスファルト上の影を想像より上手く描けたので、取り組めるかもという自信が湧いてきました。

この作品制作を通して、いつもと違った雰囲気のテーマを取り入れる重要性を学びました。苦手としているものこそ、取り組まないと上達しないですしね!改めてこの写真を提供してくれた友人に感謝です!

遠近感の表現

壮大に開けた景色を活かすためには遠近感の表現が欠かせません。遠近感の表現のために下記3点に注意しました。

  1. 雪の掛かった背景の山をぼかして描き、距離感を表現する
  2. 樹々の色について、手前を明るく、奥を暗くすることで奥行きを表現する
  3. 河川敷の幅が奥に行くにつれて狭くなるように意識して描く

①輪郭の線②色の明るさ③モチーフのサイズという3つの視点で取り組みました。①のぼやかしが上手く表現できるかが不安な点です。


透視図法を含めて、基本的な技法はデッサンなどで練習しないとなぁと感じる今日この頃・・・。

進捗

2022/3/15:下塗り開始

まずは樹木という分類で色を変えて下塗りしました。雲部分は明るさを維持したかったので塗っていません。樹木は暗くしたいところは緑を濃いめに塗るか、イエローオーカーを足しています。

以前に比べると、どのような構図を目指すかという意図をもって下塗りが出来るようになりました。構図もこの段階で定まり、ほとんど変化せずに進捗できています。

中央の川については、河川と河川敷の幅をどうするかが迷っていたため、修正しやすいように薄めの色で塗っています。

2022/3/17:下塗り継続_輪郭を明確に

ここからさらに細かく下塗りしていきます。暗い色から明るい色へと塗り重ねていきたかったので、オレンジとローアンバーで樹々の輪郭や影を足していきます。

ここでの反省点としてもっと暗い色で厚く塗るべきでした。中途半端な暗さの色で薄く塗ってしまったので、後日色を重ねた時に下塗りの影響がほとんど消えてしまい、塗り直しが必要になりました。

一方で、山をオレンジとローアンバーで細かく塗り分けることで、明暗の目安をつけました。明暗がくっきりとした非常に印象的な一枚になりますね。そのせいか、Twitterでも多くのいいねをいただきました!


Twitterの反応を見る限り、下書き段階の自由な色使いの方が好評そうですね・・・笑

2022/3/20:本塗開始-樹木、山の色を一気に塗る

サップグリーンとカドミウムグリーンを中心に樹木を塗りました。茂っている雰囲気を表現したかったので塗り潰すのではなく、少しずつ色を変えながら葉の方向に合わせて筆を動かすことを意識しました。

こちらから見て河川敷左側にある樹木は、遠近感を出すために手前をカドミウムイエローレモンを混ぜた明るい色で、奥側をサップグリーンとカドミウムグリーンを混ぜた暗い色で塗り分けました。

山々も本塗を開始しました。手前の山について、日が当たる山の上部は明度と彩度が高い色を意識して塗りました。影を強調して山の形を表現するために、暗い部分は明度が低いローアンバーとスカーレットで上塗りしています。

また奥の山はぼやかしをつけるためにペイングレーで下色を塗った後、チタニウムホワイトをペインティングナイフで塗りました。ペインティングナイフで塗ったおかげで境界が目立たない自然な勾配を表現出来、ここはこの段階が最もいい出来だと感じました。

2022/3/25:全体的に暗めの色を追加

3/20の時点で暗い色が弱く、全体的にふわふわした雰囲気の絵となっていたので、画面を引き締めるために暗めの色を全体的に足しました。3/20時点の絵暖かい雰囲気の絵という方向性としてはありと思いましたが、今回は明確な遠近感の表現が課題であったので、全体的な修正に踏み切りました。

色合いが濁ってしまった場所もありましたが、明るい色が相対的に強調でき、画面全体の印象がはっきりしたと思います。

一方で、奥の山には濃い色を付けない方が良かったと思います。遠方によるモチーフのぼんやり感が消えてしまったので。逆に暗い色を弱めにすることがぼやけを表現するためのコツという学習になりました。

また、河川敷の表現も開始しました。まずはチタニウムホワイトペイングレーで全体を塗り、そこにペインティングナイフで削ったり黒系の色で影を付けたりすることで河川敷上の岩を表現する予定です。岩の形を明確にするためにチタニウムホワイトはあまり油に溶かずに厚く塗っています。


この段階ではまだ川との境界もわかりづらいですね。

そして雲も塗り始めました。奥の山と同様に一旦ペイングレーで暗いところを塗り、そこからペインティングナイフでチタニウムホワイトを塗っています。今回の絵では雲は主役でないので、シンプルに仕上げる予定です。

その他、手前の山緑の樹木の境界にある紅葉した樹木も塗りました。樹木の茂りを表現できるように筆を縦に動かすことを意識しました。まだ形がぼんやりしているので、暗い色で樹木の間を塗る必要があるかもしれません。

現状はここまでで残りは完成後に更新したいと思います!

この裏で公募用の作品をせっせっと描いているのですが、発送方法をどうすればいいのかと、期限に間に合うのかという不安な日々です・・・笑。

それではまた次の記事で!

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