皆様、どうもです!もう季節はすっかり秋ですね。季節の変わり目、体調管理にも気を付けたいところです。
9, 10月と言えば新学期、会社によっても期の切り替わり時期ですね。
私も前期の振り返りと今期の目標設定に取り組んでいます。振り返りと目標設定をしていると、「自分に向いていることは何か」を知ることが重要であると感じます。
限られた人生で自分の成果を最大化するためには得意なことに注力する方が効率的ですし、成果により達成感や充実感を得る機会も増えるでしょう。
ただ、強みといっても自分では中々分かりにくいですよね。周囲の人からの助言が参考になることもありますが、相手は自分の一部しか知らず本音を引き出すのも容易ではないため、万能な手段ではありません。
自分の強みを客観的に把握するための有用な方法の一つが今回取り上げる「さあ、才能に目覚めよう ストレングス・ファインダー2.0」(トム・ラス氏、翻訳:古谷博子氏、日本経済新聞出版社)です。
本書について
ストレングスファインダーの開発者と本書の筆者
題名になっているストレングスファインダーとは、人間の34に分類された資質のどの傾向を自分は強く持つのかを評価するためのアセスメントです。そしてそのストレングスファインダーを40年にもわたる調査・研究の元に開発したのがドナルド・O・クリフトン博士です。
ストレングスファインダーにより全世界で数百万人もの人の才能開花に寄与したクリフトン博士は、アメリカ心理学会会長賞で、「強みの心理学の父」として表彰されています。
そして、全世界中の人の才能を開花させてきた「ストレングスファインダー」を本書にまとめたのがビジネス思想家のトマ・ラス氏です。
トマ・ラス氏は本書に限らず、他にもベストセラーとなった優れた書籍を残しており、「心の中の幸福の習慣」、「幸福の習慣」はニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストの第一位を獲得しております。
本書のメッセージ
いばらの道を選ぶな
本書は自分の強みを活かせる「強みのゾーン」にいることが重要であると主張します。
我々は自分に足りない欠点ばかりに注目し、すでに持っている自分の強みを見失いがちです。今後の目標や勉強計画を考える上でも、出来ていないことにばかりに目が行ってしまう経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
学校や受験での教育で苦手対策や欠点の克服に重点が置かれることも、その傾向に拍車をかけているのではと思います。
苦手なことや弱点を克服することが必要な時もありますが、苦手対策のみに固執した先は、特徴の無い無個性な人間となり、あまり魅力的なゴールにはなりません。
長所に着目し、伸ばした特徴で周囲に貢献することを目指した方が、充実感を得る機会は多くなり、自分が何者であるかという人格の確立にも繋がります。
また、苦手の克服には多くの時間が必要となり、その過程も苦しいものとなります。
もし同じ時間を、自分に向いている仕事か向いていない仕事に割く場合、自分に向いている仕事へ多くの時間を割いた方が、より多くの成果を生み出せ、充実感も得やすいとイメージできるはずです。
自分の強みを活かせない環境にいる場合、仕事への意欲や生産性は上がらず、下記のような状況となる懸念があると筆者は示唆します。
- 仕事へ行くのが不安
- 同僚との関わりが消極的になる
- 勤務先がいかに悲惨かを友人に語る
- 日々の達成率は低調だ
- 前向きに考えられず、創造的でなくなる
人生は日々の積み重ねで出来るため、仕事に限らず日々の活動が苦しみの場であるのであれば、その人生も苦しみにあふれた満足度の低いものとなるでしょう。
同じ時間の努力をするのであれば、成果を出しやすい活動に焦点を当てた方が、より満たされた人生に繋がります。
これが本書の訴える「強みのゾーン」を目指すべき理由となります。
「才能」を「強み」にする
注意点として、才能は持っているだけでは意味がありません。使って初めて成果が生まれ、自分の強みに昇華されます。
ここでまず重要なのは自分の才能は何なのかを知るという点です。自分の才能が分からなければ、活かすための計画を立てられません。
本書がまず解決を目指すのはまさにこのポイントであり、才能を見つける手段としてストレングスファインダーが提供されます。
また、どのようにして強みにするかというアドバイスが資質毎に紹介されるため、自分の持つ才能を活動に活かすためのヒントも得ることが出来ます。
ストレングスファインダーとは?
ストレングスファインダーとは、クリフトン博士が開発した人の持つ才能を特定するためのツールです。
才能と一言に言っても言語化が中々難しいです。特に本書が扱う才能は足が速いとか、計算が速いとか、細かい作業が得意のような表面的なスキルではなく、日々の行動パターンや習性が該当します。
日々の行動の積み重ねでその人の人格と人生は形成され、どの行動パターンを好むのかによりその人の特徴は変わります。日常で繰り返される行動と習性により、その人の特徴、そして強みが決まるのです。
自分の良さを生み出しているのは、自分が何気なく無意識で取っている行動パターンかもしれません。そのような場合、その才能に自分で気付くことは難しく、それがどのような性質を持つかを自覚するのはもはや至難の業です。
クリフトン博士は才能に関する「共通言語」を開発することを目標として開発し、研究チームを結成し、優れた行動を示す様々な分野の専門家より聴取した10万件以上の才能に基づくインタビューを実施しました。
そして、長年の調査の結果構築されたデータベースより、人の持つ多様な才能を「規律性」や「分析思考」、「責任感」、「共感性」など、最も共通性のある34の資質に分類しました。
この34の資質は、人の優れた行動パターンを説明するための言語となります。それぞれの才能を言語化し、どのような性質を持つか把握することで、自分がどのような強みを持つか整理出来、どのように行動に移していくかを具体的にイメージしやすくなります。
ストレングスファインダーでは、掲示される質問に回答していくことで、34の資質の内どの資質を強く持っているかが確認出来、自分の才能を活かすためのヒントを得られます。
本書の特徴
付属のコードを入力することでストレングスファインダーを受けられる
本書の目玉は紹介されたストレングスファインダーを実際に受講出来る点です。
各書に個別で付属されたコードを、本書内で指定されたURL先で入力することでストレングスファインダーを開始できます。
コードは1回しか使用できないため、落ち着いて集中できる時間を確保することを推奨します。
受講後、傾向が強い5つの資質と各資質を説明するレポートを入手することができます。
自分の資質を活かすためのアドバイスを得られる
本書の優れた点は、資質の特定で終わらず、それぞれの資質を活かすための工夫が用意される点です。
同じ資質を持った人から聴取した実際の成功例を参考にした行動アイディアや、自分の資質とその活用方法をより意識するための問いかけが用意されており、把握した自分の才能を強みとして活かすためのヒントも得られるのです。
その他、強みを活かすための行動計画を立てるためのツールや資質を強みにするイメージを明確にするための動画が用意されてます。
これらのツールを活用することで、自分の資質を活かして強みにする方法を具体的に検討できます。
自分の資質を明確に意識できていれば、実際の活動の取り組み方や行動の中の選択も改善が期待できます。
才能を特定するのみでなく、才能を活かすためのフォローまでされているのが本書の有難い点です。
私の受講結果
- 学習欲:学ぶ「プロセス」に心を惹かれる。何も知らない状態から、着実で計画的な過程を経て、能力を身に付けることで生き生きとする
- 内省:考えることが好きで、頭脳活動を好む。一人の時間を楽しむ類の人。自分自身に質問を投げかけ、自分で回答を検討する
- 収集心:知りたがりで物を収集する。モノや情報を収集し、整理して保管しつづける。
- 親密性:すでに知っている人たちに引き寄せられる。親しい友人のそばにいてこそ、大きな喜びと力を得る。
- 回復志向:問題を解決することが大好き。更なる困難との遭遇により力を得られる。問題点の特定と解決策の模索に挑戦する
なるほど、哲学や心理学系の読書日記を中心としたこのブログにも、学習欲、内省、収集心という習性が表れていますね笑
個人的には創造的な要素も欲しかったのですが、無いものに固執するのではなく、自分の持つ強みに着目するのがこのストレングスファインダーの教え。自分の持つ資質を活かすにはどうすればいいいのか?に焦点を当てます。
本活動を疎かにせず、関心があることを並行して続けていればいつか意外な交差点が見えてくることもあるでしょう!
私の資質を強みにするには、集めたり考えたり学んだりした情報をそのままにせず、いかにアウトプットする機会を増やしていくかが重要になります。
仕事では最近学んだ情報を活かして社内研修資料作成のサポートすることを目標に、プライベートでは自分の活動の領域を広げてアウトプットの機会を増やすことを目標にしています!
このように自分の才能が何かを把握することで、自分の強みを活かす計画を立てやすくなります!
本書を通して学び整理した点
幸福をもたらす活動の要素とは?
どのように「強みのゾーン」にいる時間を増やせるか?
本書は自身の才能を発見し、それを自分の強みに昇華させることがテーマとなっています。
ストレングスファインダーで自分の強みとなりえる5つの資質を確認し、各資質に対する活用方法のヒントを参考に日常生活に生かしていく、というのが本書の活用方法となります。
ここで、どうすれば自分の強みをより効率的に活かし「強みのゾーン」に割く時間を増やせるのかが具体的な行動に移す上でのポイントとなります。
「自分の生活のどこで強みを活かせるのか?」、「本書の内容を自分の活動のどこに落とし込めるのか?」という行動に移すポイントさえつかめれば、自分の才能を活かすための工夫に取り組みやすくなります。
行動に移すポイントを掴む上で重要なのは自分が取り組むべき活動の特定だと考えます。
自分の才能を活かすという視点は本書で紹介される通り重要ですが、それだけではバランスが悪いというのも事実です。
現在の活動環境や内容では、自分の才能を十分に生かすことが出来ない可能性があります。その場合、新たな活動の場や機会を増やす必要がありますが、才能という観点のみで活動の幅を広げようとすると、ニーズなどを考慮に入れてないため独りよがりな行動をもたらす可能性もあります。
得意なことをするだけで満足できる人もいますが、生きるためのお金を稼いだり、社会への貢献を実感することも、人生を充実させるアプローチとなります。
自分が活躍する環境を持てなければ、才能を活かす機会も得られません。才能を活かす場があって、初めて強みへの昇華が可能となります。その上で強み以外の視点もバランスよく持つことが重要と考えます。
取り組むべき活動を考えるために有用なMCWの輪
自分の才能という観点を考慮しながら、バランスよく活動すべき行動を探すフレームワークとして、MCWの輪があげられます。
これはMust, Can, Willという観点で自分のやるべきことを見つけるための考え方です。
- Must:周囲から求められること:仕事におけるノルマ・課題、家事・子育て、社会から求められること、収益という対価を得やすい
- Can:自分が得意なこと:労せず出来ること、成果を上げやすいもの、自信があるもの
- Will:自分のやりたいこと:自分が関心を持ち価値を感じること、挑戦やかつ度へのモチベーションの源泉となる
それぞれの説明と行動により期待できるメリットを下記のように整理しました。それぞれ異なる恩恵が得られるため、3つの要素をバランス良く取り入れることが、多様な視点から充実感を得るために必要ですす。
コア・パーソナルプロジェクトについては下記記事を。
フロー体験については下記記事をご参照ください!
しかし、3つの観点をすべて満たすのは難しいという新たな問題が出現します。その場合、優先順位をつけて要素ごとに取り組んでいくのも一手となります。
この中で行動をイメージしやすいのはMustでしょう。やるべきことが外から掲示されるため、0から考えなければいけないことがあるCan・Willよりも考える負荷は少なくなります。
Mustの活動に集中して取り組む中で得られる経験や試行錯誤により、自分の得意なことややりたいことが見えてきます。
ただ注意が必要なのは、Mustの仕事を闇雲にこなすだけの状態です。この状態が継続すると日々の生活の充実感を得られにくいのみでなく、状況の進展や人生のコントロール感も生まれにくいため、自分の人生を生きていないような閉塞感に襲われかねません。
Mustの活動の中でのCanの発見により得られる自分の成長やフロー体験を通して充実感を得られたり、Mustの活動により構築した人間関係と経済的安定を活用してWillの仕事を増やそうとしたりする工夫が重要です。
今回取り上げたストレングスファインダーは‘Can’を見つけるための強力なツールとなります。
現在の活動で自分の才能が何であるか中々見つけられない場合、本書はその状況を打破するための解決策となります。
本来、才能という抽象的な存在を忙しい活動の中で見つけなければいけないものを、才能を34もの細かい資質に分類したストレングスファインダーにより、才能を言語化した情報として具体的に認識できるようになります。
苦手なものに目をむけなければいけない時はあるの?
乗り越えなければいけない時とは?
また、本書は強みに着目することを主張していますが、苦手なものや弱点を丸っきり無視できるかというと、そんなシンプルなものではありません。
大小問わず、自分の目的達成のためには苦手とすることを乗り越えなければいけない時も出てきます。
目の前の障壁は乗り越えるべきか、無視して回避するべきか、検討する上の基準としても上記のMCWの輪が参考になります。
例えば、下記のいずれかに該当する場合は、その障壁も乗り越える価値のあるものとして考えられるでしょう。
- Must:社会への貢献度を上げるのに必要な活動、自分の求める報酬ライン到達するのに効率的な活動
- Can:自分のスキルを活かすのに必要な作業、自分の才能を強化するスキルを得るための挑戦
- Will:やりたいことに取り組むために必要なステップ、やりたいことを見つける機会となり得る活動
自分の中で、なぜその障壁を乗り越えなければいけないのかという目的があれば、同じ苦境でも前向きな意味があるものとしてとらえることができます。
前向きに苦境を捉えることが出来ると、自己効力感が増すため、精神的な健全性を維持する効果も期待できます。
人に任せるという選択肢も検討
また、自分の活動や目標達成に必要なものでも、必ずしも自分がでこなす必要は無いという点も重要です。
人はそれぞれ個性があり、強みも人によって異なります。自分が持っていない資質を持つ人に協力をお願いすることで、自分の強みに費やす時間を確保しながら目標の達成を目指せます。
また、自分と異なる資質を持つ人にとっての苦手は、逆に自分の強みを活かせる機会である可能性もあります。両者の可能性を最大化するためにも、全てを自分でこなすのではなく周囲と協力する姿勢が大事になります。
現在はコミュニケーションの手段も増え、個人間のアウトソーシングや依頼/受注も容易になりました。
自分の活動の中でネックとなっているものがあれば、ココナラ等のツールを活用するのも一手です。逆にそのようなサイトでの依頼を参考に、自分のスキルが活かせる機会の発見に繋がる可能性もあるでしょう。
「強みのゾーン」にいるために、人に任せるという選択肢を持つことも重要となります。
わたしもアウトソーシングのお世話になっており、このブログのデザインは購入したものです。
以上、「さあ、才能に目覚めよう ストレングス・ファインダー2.0」(トム・ラス氏、翻訳:古谷博子氏、日本経済新聞出版社)に関する読書日記でした!
今年も残り三か月となりましたが、成果を最大化して悔いのない一年とするため、自分の才能を見つけ強みに活かすきっかけを得るため、本書はお勧めの一冊となります!
今回紹介したMCWの輪も含めて、新たな活動への挑戦や行動の工夫を考えるきっかけとなりましたら嬉しいです。
それではまた次の記事で!