もう9月ですが、ダイヤモンド社のHarvard Business Review(HBR) 9月号を読みました。今回のテーマはマーケティングにAIを実装するということで、ビジネス、特にマーケティングへAIを活用するための方法や注意点に関する論文や論説が掲載されています。
正直私は、マーケティングに直接関わる部門ではないので、今すぐ仕事に役立ちそうな内容ではありませんでした。
同じように、AIを実際の仕事場で活用する機会がまだ無いため、AIについてよく分からないという方は少なくないのではないでしょうか。
しかし、AIが更に普及していくことを考えると、AIについて知り、向き合うための準備をしておくことは、長い目で見て非常に重要です。
今回の Harvard Business Review の内容を引用しながら、AIと向き合う、活用する側になるためにはどのようなことを磨いていかなければいけないのかを考えていきましょう!
前提部分が不要という方は近日公開予定の次回記事へ!
AIとは?なにができるの?
AIの定義
ご存じの方も多いと思いますが、AIとは人工知能でartificial intelligenceの略です。いかに人間固有の知的活動を機械により再現するか、ということが大きなテーマとなっています。自分で考えて自分で行動するアトムやドラえもんのようなロボットが1つのゴールでしょうか。
身近なロボットではルンバの存在が、もはや当たり前の世界になりましたね。
機械学習、ディープラーニングってなに?
近年の大きな成長としては「機械学習」、「ディープラーニング」があげられます。これは、あるタスクに対する過去の試行結果をもとにプログラムやアルゴリズムを自身で改善して成功率や精度を高めることを可能とする機能です。まさに自分で学習/成長する能力を手に入れたということですね。
機械学習は与えられた条件を元に、あるデータを分類する仕事を与えられた時、与えられた情報(入力)とその結果’(出力)のデータを蓄積することで、その分類の精度を改善していくことができます。
例えば、猫の特徴を機械に設定し、その分類を任せた時に、その分類結果の蓄積により、より適切な判断方法を自身で構築することが可能となります。
ここだけの話、私は今回勉強するまで、機械学習とディープラーニングが同じと勘違いしていました。ニュースを聞くだけでなく、一段階自分で調べるという姿勢が大事だと再認識しました笑 現在、株式会社KADOKAWA発行の「人工知能は人間を超えるか-松尾 豊氏」を読んで勉強中です。もうちょっと整理できたら、読書日記でも取り扱うかもしれません!
機械学習の限界
様々な動物の写真の中から、どれが猫の写真かを特定するのは皆様にとってはそれほど難しくないことですよね。
しかし、機械には難しい課題でした。猫を特定するための条件の設定が想像以上に複雑なためです。
4足歩行や髭のある動物は数えきれないほどいますし、猫の種類により耳の形や毛の色も多種多様です。
機械学習では猫の特徴を人間側が考えて設定をしなければいけないという弱点があり、このセンスで人工知能の性能が左右されるという限界がありました。
機械学習からディープラーニングへの進化
その課題のブレイクスルーが期待される直近の進化として「ディープラーニング」が挙げられます。
ディープラーニングではこの人が実施していた条件設定も、機械が自動的に習得してくれるという特徴があります。
この条件設定に使われる対象の定性・定量的な性質を表す数値を「特徴量」と呼びます。
多くの写真と結果(猫かそうでないか)を集積することで、どの条件や要素が猫に結びつくのかを自分で見つけてくれるため、どのような特徴づけを設定するかという人力の部分が不要となりました。
機械学習で加速するAIの能力
機械学習によりAIの持つの能力は以前と段違いに向上しました。人間とは桁違いの演算スピードにより莫大な量のデータを処理することで、人間にはかなわないスピードで答えが出せるようになりました。
例としてはAIがチェスのチャンピオンに勝ったというのが分かりやすいでしょうか。人のトップが機械に負けたということで非常に印象的なニュースでした。
AIは体力にも限界が無く、人間では不可能な速さで対局を重ねることが可能であるため、非常に多くの試行を経験することができます。ルールが一定で、勝利条件も明確なチェスはまさにAIの得意分野といえます。
人間の能力を超えた人工知能という、SF世界のような科学の進歩に夢を感じる一方、機械に仕事を奪われるのではないかという危機感も覚えます。
AIの進歩が加速する世界で、仕事はどう変わっていくのか、そしてそれに対してどのような準備が必要となるか考えてみましょう!
人間はAIに仕事を奪われるのか?
活躍の場を広げるAI
既に、自動運転や、医療現場での画像診断等の、人の命に係わる分野までAIの実用化が本格的に議論されています。
また、我々の周りでも検索の最適化やAI投資などのAIを導入したサービスが普及してきています。
AIの活用がこのまま広がっていき、全ての仕事がAIに奪われる、そんな世界が来るのでしょうか?
個人的な考えですが、人間の仕事がAIに完全にとってかわられることはないでしょう。現在のAIは得意分野と苦手分野がはっきりしているためです。
データを集積でき、そのデータをもとに答えを導ける分野については、AIの計算処理能力に人間はかないません。
AIの得意分野に該当する分野では、人間からAIへの仕事の代替が起きやすいことは想像できます。
また、AIが苦手とされる分野の中でも、必要とされるスキルによってはAIによる代替が起きることも想定されます。
広がる労働価値の格差
そのため、今後人に求められるスキルはより明確化され、そのスキルを持つ人と持たない人では需要や報酬の格差が広がるでしょう。
AIにできないことをできる人、AIを活用できる人、AIと共存できる人は引き続き活躍の場が広がっているでしょう。
一方、たとえベーシックインカムが発達した世界でも、仕事を続ける選択を取る人は少なくないでしょう。承認や所属、人への貢献による満足感という欲求が人には備わっているためです。
仕事は収入を得るための手段でもありますが、生きがいや自分の居場所というかけがえのない場でもあります。
AIの発達が進んだ世界で、人が自分の活躍の場所を確保するためにどのような準備が必要になるでしょうか。
どのようなスキルがより求められていくのか、今回のHBRの記事を参考に、AIが苦手とする能力を考えながら次回の記事で見ていきましょう!