9月に描いた油絵の日記、というかもう完成しているので振り返り(笑)をしていこうと思います。
工夫した点をピックアップしながら自分の課題と取り組み結果を見直して今後の活動に活かします!
前回の日記の予告通り町中の夕陽を描いてみました。
今回の絵に込めた思い
きれいな風景は感動をはじめとした様々な感情を人に与えます。これは旅行で日常から離れた場所へ足を運ぶことを好む理由の1つでしょう。
しかし、人に感動を与えるような光景は旅行先に限らず、普段の風景の中にもひそんでいます。
日常の中の風景を通り過ぎずにアンテナを張っておくことで、インプットを増やして日常の幸福度を上げることができます。
旅行は旅行で人生に潤いを与える大切な機会だと思いますが、日常をより充実したものとするためには、日常の中で当たり前とされているもの再認識により感動や喜びを感じる機会を増やすことも重要となります。
その上で、町中の夕陽は気づきさえすれば多くの人が感動を受ける風景であると思います。
夕陽は毎日訪れる瞬間でありながら、全く同じ光景とは再会できない、そして、1日の終わりというはかなさも感じる瞬間です。
仕事、学校、買い物、お出かけの帰り道で、ふと上を見上げて当たり前の毎日のようで、1回しかないかけがえのないその1シーンに気付くきっかけを作りたい!というのが今回の絵に込めた思いです。
今回の課題
綺麗な細かい線を描く
前回苦戦した細かい線をきれいに描くことが1つ目の課題です。
細い筆の中で種類を選べるナムラ油絵のSK.LAA 6号、SK.LAA 00号、SK.LAA 000号を購入してみました。
今回の絵だと、主に中心のビルの階の間を塗るときに SK.LAA 00号がちょうどいいサイズでした。
下塗りの活用
下塗りの色をセクションにより使い分けにより、色の濃淡と明暗をより明確にすることを狙いました。
今回は手前のビルの暗さによる対比で、空の明るさを表現したかったので、ビルなどの人工部分をセシリアンブルー、空部分をイエローオーカーをメインに塗り分けています。
効果を見る実験としては、もう少し空の中で塗り分けがあってもよかったかなと思っています。
下書き&下塗り
2021/9/3:下書きを控えめに
建物を描くのに慣れていないので、大体の形だけを下書きしました。
この段階できっちり形を決めてしまうと、その後の修正が大変なので、本格的な形は絵具で調整していく方針でした。
この辺りはデッサンの練習を続けて、構造物を物理的な違和感が無いように描けるようになりたいです。
また、右端の地下道への入り口を描きたかったのと、描きたい部分が工事でかぶっていたので、現実の絵から少しアレンジを加えています。
自分の好きな構図にアレンジできるというのも絵画の魅力の1つですね。
2021/9/5:下塗りによる印象付け
今回の課題にも記載した通り、下塗りの色を使い分けることで、絵の中での色の濃淡と明暗を明確にすることを目指しました。
空の明るさと温かさを強調するために暖色系のイエローオーカーで下塗りしました。
右の空とビルの境界部分をどこまでにするかがまだ決めきれてない様子ですね・・・。ここはしっかり、決めてから描いた方がよかったと反省しています。
右下の一部イエローオーカーで塗った部分は、どういう効果になるか確認する実験だったんですが、もう少し分かりやすい部分でやった方がよかったかなと思います。
やるにしてもその手前の工事のフェンスでやった方が、手前の明るさを表現する上でも有効だったかなと思います。
本塗開始
2021/9/5-9/12:ビルの整形と青空の塗り
ビルの整形
下書き段階で左に傾いていた中央のビルを徐々に戻していきました。
9/5と比べると9/12は大分シャンと立っているように出来ました。
このように大幅に構図を修正できるのは油絵の有難いところです。
この修正の結果、信号機の角度の違和感がすこし大きくなってしまったので、縦線と横線という軸の部分をしっかり固定しておく大切さを感じました。
また、角度が斜めっていた左側のビルも大幅に修正しています。
青空の部分
まずはベースの青空を塗っていきます。9/5は少し強めに塗りすぎて下塗りを活かせていないと感じたので、ティッシュで全体的に色を落としています。
左下の地面との境目の部分は、もう少し落とした方が、より下塗りを活かせたかなと思います。
また、雲も塗り始めました。暗い部分をベースとして明るい部分を重ねていく方針であったために、まずは暗い部分を塗っていきます。
反省としては、雲の中での明暗をしっかり出すために、雲の明るい部分は暗く塗らずにそのままにしておいた方がよかったかなと感じています。
2021/9/12-9/20: ビルの黒い部分と木や灯りのワンポイントの塗り、空の夕陽へのカスタマイズ
ビル周り
本格的に中央のビルの黒い部分を塗っていきます。
この段階でも大幅に形を変えていることから苦戦の跡が残っていますね・・・。9/16までは遠いはずの屋上部分の方が、大きくなっているのが違和感でした。
ビルの右側の階層の表現では、暗い中で明暗を付けるのに苦労しました。
明るすぎる色を使うと、ビルの右側全体も明るくなってしまい、空の明るさとの対比が弱くなってしまいます。一方、暗い色を使っても周りの暗い色の中に紛れてしまうという、細かい調整に苦戦しました。
限られた範囲の中で明暗を表現するというのが次回以降の課題です。
左側のビルは徐々に色を重ねて深みが表現できたかなと思います。手前明るめ、奥暗めになるように配色しました。
9/16時点の灯りがいい感じだったので、それを活かせなかったのは反省点
また木については、9/12は透明色であるビリジアンで塗ったためか、上手く色が定着しなかったので、不透明色のカドミウムグリーンに切り替えています。
9/12 夜 9/16 ちょっと写真が斜めっています。 9/18 雲を塗りすぎました; 9/20 必死に修復全体的に白っぽくなってますね。
空の部分
徐々にカドミウムイエローレモンとカドミウムイエローとオレンジを足しながら、夕陽度を増していきます。
中々青空と夕陽の色が調和しなくて苦戦しました。特に境目は単純に色を重ねるだけだとくすんでしまうので、色を混ぜないで勾配を表現する方法を試行錯誤中です。
一方、雲の厚みを表現するために絵具を厚めに塗っていきました。が、9/18は明らかに塗りすぎですね笑
9/16時点で出せていた雲のもやもや感が完全に消えてしまっています。
9/20は雲を削って削ってという1日でした。
おかげで雲のもやもや感が大分復活してきたなと。そして、一度塗った白い雲を削って残りを削ることで、空が全体的に白みがかり。夕陽頃の薄い青空に近づけたというのは思わぬ収穫でした。
ただ、この効果を狙うにしても一気に塗るのではなく、少しずつ塗ってから削るor擦るというのが大事ですね。
2021/9/21-10/1: 一気に仕上げへ
ビル周り
9/25でようやく中央のビルの形が整いました。
9/26に淵の黒い部分をしっかり塗れたので、大分雰囲気が変わったのではないでしょうか?このあたりから窓ガラスを塗りながら左側面の夕陽の反射も重ねていき、完成に向けて本格化してきました。
カドミウムイエローレモンやオレンジをあまり色を混ぜずに塗ることで、街灯のような明るさが表現出てきていると思います。
9/29は中央のビルの1,2階部分の白っぽい部分と、右側の階の間の白っぽい部分と影の部分の塗り分けを進めることができました。
10/1は窓ガラスの形を修正していますが、その分ちょっと軽い青色となってしまったので配色としては一歩後退ですね。
9/25:空とビル上の反射を含め黄色感アップ 9/26:雲の暗い部分と窓ガラスを塗り始め 9/29:オレンジを足して夕陽感アップ 10/1:窓ガラス修正+青空を夕陽仕様へ少し薄めへ
空の部分
9/25は黄色を足して明るさと夕陽感を表現しようとしています。左側は黄色をいれることで雲の明るい部分が増しています。右側の雲は不自然になってしまったので修正していきます。
9/26は雲の暗い部分を塗り始めました。白の上に透明色のウルトラマリンを塗り重ねたので、落ち着いた色にならなくて苦戦しています。
9/29はオレンジ色を足すことで夕陽感を補強しています。青とは補色の関係になるので、両者が際立つことも狙いにしています。
また、雲の明暗を強調するために黄色の補色として、パープルを足しています。このおかげで一部の雲で凹凸を表現できるようになっています。安定していないので、全部の雲で出来ていないのが課題ですが・・・。
10/1は空の青い部分を少し薄めにして、夕陽の青空に近づけています。この表現は納得いった出来ではないので、今後の課題です。
その一方、雲との境界部分のぼんやり感はしっかり表現できていると感じます。
完成
2021/10/3:細かいところを調整して完成
窓ガラスの明暗付のため、カドミウムイエローレモン+カドミウムイエロー+白で明るい部分を表現し、ウルトラマリンで暗い部分を塗り分けています。
1-3階部分の灯りを含めてビルの中で明暗がくっきりできました。
初期と比べるとビルの形も大分合理的で、影と矛盾が少ない形に修正できていると思います。
空の部分はオレンジとカドミウムイエローレモンとパープルの組み合わせで、手前と奥、そして、明暗が大分自然な勾配で表現できました。ちょっとうれしい成長です。
全体を明るい色で塗るのではなく、暗い部分は最初から暗い色で塗り分けることで、より明暗をしっかり表現できたのではというのが次回への課題です。
手前みそですが、空と雲の明るい暖かい雰囲気は満足のいく出来です。
課題の振り返り
綺麗な細かい線を描く
ちょっと良い筆( AA 00号 )を買ったので、以前より大分楽に描けました。この筆無しではビルの階層の境目の白い部分と影の暗い部分の描き分けにもっと苦戦したと思います。
前購入したものより毛が抜けなくて長持ちしそうでいい感じです。
細い筆はその特徴を活かすために毛先が重要なので使用後のお手入れに注意しています。
今回は購入が間に合いませんでしたが、手首を安定させるための腕置きとして、腕鎮(わんちん) も解決の方法ですね。
下塗りの活用
空は明るく温かく、ビルや建物は暗く冷たくという当初の構図は達成できたと思います。
しかし、空では雲を塗りすぎてしまったり、全体を通して塗が一辺倒になってしまい、下塗りを十分に活かせたかというと疑問です。
塗りなおし等で修正をしやすいという油絵の利点はありますが、これまで積み上げてきたものを無駄にしないように、計画を立てて慎重に描き進める姿勢が足りていないなと実感しました。
次回以降の課題
夕陽、夕焼け空の表現
自分の作品を、閲覧者が上を向いて歩くきっかけとするためには、夕焼けの表現をもっと磨く必要がありますね。
特に、夕焼け時の青が薄くなった空の表現は要勉強です。どうしてもただの青空になってしまう・・・。
また、雲も色が複雑に絡まり、楽しかった反面、苦戦も強いられたポイントです。
雲は暗いところと明るいところをもう少し明確に仕分けて、別々に塗っていくことでそれぞれを強調することを目指します!
下塗りの次の段階の塗り分け、最終形を意識
下塗りの活用を課題としていましたが、その後のベースとなる塗りでの色の選択も絵の完成図に大きく影響すると感じました。
取り敢えず塗ってみるという傾向があるので、塗りすぎないように注意する、予定より塗りすぎてしまったらすぐに削って被害を最小化にすることが課題です。
反対の色が下にあると、特に透明色の色は上から塗り重ねても上手く思った通りの色になりにくいと実感しました。
人工物のデッサン
自然物を描くのが多いので自分にとってはチャレンジングなテーマでした。
修正をするのが前提でしたが、その幅があまりに大きかったため、一部は修正できずにそのままとなってしまいました。また、修正できた部分もけっこう時間がかかり苦労しました。
もうちょっと物理的に適切であるかを考えてから塗り始めたほうがよかったと反省しています。
ほかの方の絵でどのように表現しているかを注視することで、その物理的および光学的な構造の理解を深めていこうと思います。
ただ、ビルのような人工物を中心に描くのは今回でようやく2回目なので、デッサンを含めて描く数を増やしてトライ&エラーで出来ることの幅を広げていきたいと思います!
次回の作品
次回も夕陽、夕焼けがメインとなる予定です。
水面が出てくるので、水面に映る夕陽の表現にも集中していく予定です。
また、木々もあるので細い線による枝の表現も頑張りたいと思います!
といってもう描き始めてしまっているのですけど・・・。笑
今度こそ日記となるように、油絵製作とラグを少なく本ブログを更新します!