こんにちは!今年も早いもので下半期になりましたね。6月前半までの気候が嘘なような激烈な暑さが続いています。皆様は元気にお過ごしでしょうか?
私は激しい気候の変化に置いていかれ気味で、体調を崩さないように気を付けながら活動中です;
そんな中でも重要な活動を維持するために、時間の使い方のコツを整理中です!1年も丁度折り返しなので、2022年を実り多い年とするために今年の目標を振り返り、計画を修正するのにも良いタイミングですね!
取り扱うのは引き続き「時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」」(ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー、櫻井祐子訳、ダイヤモンド社)です。
前回の記事では本書のポイントとして、私たちの時間を奪う主な2つの原因である「多忙中毒」と「無限の泉」、そして重要事項に時間とエネルギーを集中するための4つのステップに分かれた87の戦術を紹介するという本書の構成を紹介しました。
今回は本書で特に重要と感じたポイントをピックアップします!それではさっそく本題に入りましょう!
時間を奪う原因というのも強く衝撃を受けましたが、前回記事で整理したので本記事では省略します。
一番印象に残った点:やりがいと集中力をもたらす「ハイライトの設定」
ハイライトとは何か?
ハイライトとは本書で「毎日、その日の優先事項としてスケジュールを確保する活動」として紹介されます。その日1日で、何があっても必ず取り組みたい活動がハイライトとなります。
その内容は仕事の大事なタスクでも、家庭の重要な仕事でも、家族との時間や趣味などのやりたいことでも問題ありません。ポイントは、他人から押し付けられた重要度の低いやらなくていいものではなく、自分のために重要で、かつこなすことワクワクや達成感、充実感が得られる活動を選択することです。
その日は何をハイライト(強調)するかを決めて、そのために優先的にスケジュールを設定することが自分のための時間を作る第一歩となります。
ハイライトにより毎日の意味とコントロールを取り戻す
ハイライトにより意味のある毎日をデザインする
このハイライトの特徴は、設定することにより毎日の意味を強調出来る点です。
忙しい日々の中では、時間はあっという間に過ぎ、何をしていたか印象に残らない日や週が出来てしまいます。このような状況は、成果や達成感を得られない日々の連続により生まれます。印象に残らない日々の連続は、人生の意味を感じにくくし、虚しさや無力感を生みだす原因となります。
ハイライトを設定し、重要なタスクに取り組むようにスケジュールをデザインすることで、日々確実な成果を生み出せます。わずかでも成果があればその日は意味のある1日となるでしょう。さらに、達成感という主観的な観点からも日々の充実感を増やす効果が期待できます。
また、個人的に何よりも重要と感じるのは、自分の時間を自分のために使えるというコントロール感です。他人から与えられた仕事をこなすのみで満足感を得られない日々では、自分の人生は自分のためにあるという実感は失われてしまいます。
自分にとって重要な活動への取り組みが習慣化することで、自分の人生は自分のモノであるというコントロール感が得られます。
他人のための活動としても、そこに自分の能力や個性の発揮や、他者への貢献という満足感が得られるものであれば、人生の充実に繋がるという点は補足しておきます。
ハイライトはタスクと長期的目標の中間的立ち位置
筆者はハイライトの特徴として、タスクと長期的目標の間のちょうどいい存在であると紹介します。
タスクは日々のやらなければいけないことを指します。具体的な作業や工程を指しており、タスク管理により何をすべきかを整理できます。しかし、タスクレベルまで分解された仕事は機械的な作業の連続となり、そこに意味やワクワク感は感じづらくなります。
タスクの対極の存在は長期的な目標となります。長期的な目標は人生を充実させるための大事な要素となります。
しかし、長期的な目標は数年単位の計画となるため、それだけでは日々何をすればいいかが分かりません。目標を立てたものの、行動に移せず後回しにしがちとなる恐れもあります。ハイライトという具体的な1日の目標を定めることで、実際の行動につなげやすくします。
また、長期的な目標は達成まで長い道のりとなるため、達成感を得づらい側面があります。ハイライトにより日々の目標を定めることで、達成感を得られる機会を毎日作ることができます。
ハイライトを設定することで、何に重点的に取り組めばいいかが明確になり、大事な活動へ集中することができます。集中力を高める効果により、フロー体験を増やすという恩恵も期待できます。
過去記事参考:フロー体験で普段の活動による楽しみと創造性を増す
僕がいちばんしあわせを感じるのは、今この瞬間を心から味わうことのできる何かに取り組んでいるときだ。それはやることリストの項目よりは大きく、5年先の目標よりは小さい。計画を立て、心待ちにし、終えた時に達成感が得られるような活動だ。
HIGH LIGHT|時間術大全:ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー p49
大事なことを中心にスケジュールを組むことがデフォルト化すると、毎日の過ごし方が有意義なものへ自然と変わります。また、ハイライト自体が習慣化すれば、自分の人生は自分のモノであるという実感が増します。そうなると、人生の目標はより明確に、自分の本心から湧き出るものとなり、より自分らしい充実した人生を目指す原動力となります。
ハイライトの設定基準
3つの設定基準
実際にハイライトを取り組む上で気になるのは、ハイライトをどのように設定すればいいのかという設定基準です。
筆者は基準として下記の3つを紹介しています。
- 緊急性:今日絶対に終わらせなければいけないことは何か?
- 満足感:1日の終わりに最も満足感を得られるものは何か?その満足感はどのようなものか?
- 喜び:1日を振り返ったときに最も喜びを感じれるものは何か?趣味やリラックスの時間も含まれる。
この3つの基準の内、何を優先すべきかを日ごとに調整しながら、ハイライトを決定します。ハイライトに設定するべき課題は何かを探ることで、自分にとってより重要なタスクが分かってきます。
何を優先してハイライトを設定するべきかは人や状況により変わります。大事なのは日々設定したハイライトと取り組みによる効果を日々振り返ることです。設定したハイライトが適切であるか、取り組み方に問題がないかを確認し、時間を作るための工夫を改善していくことが重要となります。
ハイライトは毎日設定するため、トライ&エラーを毎日積み重ねられます。そのため、少しずつの改善でも継続により習慣の大きな改善につなげられます。
ハイライト設定のため、参考になりそうな他書のアイディア
ハイライトの設定基準には、自分にとって何が重要な活動であるかの理解も大事な要素となります。その上で過去の下記記事も参考になると思いますので、紹介します。
- 「DIE WITH ZERO」で紹介したタイムバケット:まずは死ぬまでにやりたいことをリスト化。そしてそれらをいつまでにやりたいか年齢順に並べることで、優先的に取り組む、準備すべきことを特定する方法
- 「Quiet-内向型人間の時代」で紹介したコア・パーソナル・プロジェクト:自分の能力に適し、過度のストレスがかからない、内発的動機による自主的な活動。取り組むことで勇気が湧いてくる。
週間ハイライトの設定
また、本書では1日単位のみではなく、1週間単位でハイライトの設定も推奨しています。これは強化合宿のようなイメージです。人の集中力の限界は60-90分と言われています。そのため、一日あたりであげられる成果には限界があるのも事実です。
同じハイライトに1週間取り組み続けることによる成果の最大化が目的となります。前日の記憶が残った状態で取り組むことで、同じ時間枠でも考えを深堀りしながらより効果的に課題に取り組めます。ハイライト開始時に何から取り組むべきかを考える時間を節約出来るのも魅力的なポイントです。
ハイライト時間の合間で、次回どう取り組むかのアイディアの整理もできるため、スムーズに作業を再開できます。
行動に移すためには?
取り組むための戦術をピックアップする
本書のようなビジネス書を読むときに一番避けたいのが、読んだだけで満足感を得てしまい具体的な行動に移せないことです。読書をただの知識の蓄積にとどめず実益につなげるために、どの行動を取り入れるかの選択が重要となります。
本書では87もの戦術が紹介されています。一気に取り組もうとするとすべてが中途半端になり、効果も感じにくくなるため継続が難しくなります。
優先的に取り組む戦術をピックアップすることで、ポイントを絞った習慣の改善を目指せます。どの習慣を改善するかの継続するかの判断の上で「効果の大きさ・頻度・取り組みやすさ」が重要です。
改善による効果が期待でき、かつ自分に合う負荷の少ない戦術をピックアップし、1つずつ自分のものにしていくことで、達成感を積み上げながら自分の時間を優先した習慣を身に付けることが期待できます。
本書を読んだ後、自分が取り組むべき戦術はどれかを決めることが、習慣改善の第一歩となります。
取り組みやすさを重視し過ぎて、効果が薄いものばかりピックアップすることがないようにの注意は必要です。
その日の取り組みを振り返る
ハイライトと戦術の実施状況の振り返り
本書の「TUNING」の章でも重要視されているのが、その日の振り返りです。「ハイライトを実際に実施できたか?」が、最も大事な振り返りのポイントとなります。
ハイライトに時間を十分に確保できていない場合は、スケジューリングの見直しと原因の特定と改善が必要となります。
またハイライトのみでなく、ピックアップした戦術の実施状況と効果を振り返ることも重要です。戦術の振り返りにより、自分が戦術を適切に取り組めていたかを客観的に確認することができます。
効果を感じなかった場合に、その原因が取り組み自体が不十分であるか、そもそも自分に合わないものであったかを区別できます。振り返りが無い場合、効果を感じない戦術に対して不信感が湧くため、継続が難しくなり、しっかりやっていれば効果があった戦術が放棄される危険性を生みます。
合わない戦術にこだわりすぎない
また、振り返りの中で自分に合わない戦術があることに気付きます。その場合はこだわらずに他の戦術へシフトするのも重要です。
実体験を紹介すると、私は「気が散らないスマホ」を作るという戦術を参考に、SNSアプリをアンインストールしました。
その結果、確かに無限の泉の一つであるSNSに使う時間は減ったのですが、大事なアウトプット作業である油絵進捗の公開も億劫になるという弊害が出てしまいました。
SNSに使う時間とアウトプット量を天秤にかけ、SNSに関しては見る時間を決めることによるコントロールを選択し、アプリを再インストールしました。
大事なのは戦術マスターになることではなく、自分の重要な活動に集中して人生を充実したものとするためです。87もの戦術があるので、合うものと合わないものは出てくるため、合わないものにこだわりすぎて本末転倒にならないように気を付ける必要がります。
量だけではなく質も重要視
本書の中で重要視されているポイントとして、いかに高い集中力で活動に臨むかが挙げられます。そのため、無限の泉を中心とした集中の妨げの原因を排除する「LASER」、脳のエネルギーを維持・補充するための「CHARGE」の章が設定されています。
上記2章の詳細は今回紹介できませんでしたが、行動の質も成果を決める上で大事な要素です。いかに優先的に時間を確保しても、ダラダラ取り組んでいては充実感にはつながりません。
集中を維持する習慣と環境を整備することで、フロー体験とそれに伴う充実感を生み、成果の最大化と達成感を生みだせます。質を振り返る際のポイントとして下記が挙げられます。
- 集中度は十分であったか、時間に見合った進捗は得えられたか?
- 自分の集中を妨害する原因はなんであるか?
- 集中力を維持するためにはどのような環境・時間が好ましいか?
- 脳のエネルギーを十分に使うためにいつの時間が好ましいか、どのような準備が必要か?
- 集中力を回復するためにはどのような取り組みが効果的か?
振り返りの際に参考となる他書のアイディア
上記の内容以外で筆者が振り返りを推奨しているのが、感謝です。筆者らは嬉しかったり、有り難かった感謝の瞬間を思いだすことで、試した戦術が上手くいかなくても、明日も習慣の改善のため継続しようというモチベーションになると主張します。
感謝の振り返りの観点は「精神科医が見つけた3つの幸福-最新科学から最高の人間をつくる方法」の読書日記で取り上げた3行ポジティブ日記と通じる点があると考えます。
3行ポジティブ日記はどのような良いことがあったかを1日の終わりに振り返ることで、ポジティブな出来事を思い出してアウトプットする習慣を作ります。そしてこの習慣により、人生に対する自己認識をポジティブにして、より多くの充実感を生みだすことが目的となります。
本書が推奨する振り返りの感謝の部分を3行ポジティブ日記とすることで、1日の意義がより強化され、人生のコントロール感も強まります。そしてポジティブな感情は、継続した努力を支える力強いモチベーションとなるため、習慣の改善という目的達成のために有効です。
本書の内容をカスタマイズするなら
最後に本書の内容から個人的に工夫している点を紹介します。それはハイライトを1日1つに限定せず、活動の種類ごとにハイライトを設定することです。
ハイライトを始めてからある活動にハイライトを設定したとき、その他の時間や活動がどこか消化試合のように感じる時があるのが気になりました。
活動の種類ごとにハイライトを設定し、実施時間をスケジューリングすることで、どの活動も自分にとって重要な活動であることを再認識し、それぞれの成果を高めることが期待できます。
現在ハイライトを設定する上での活動の分類は下記となります。
- 副業、趣味:アウトプット活動を中心に選択、3つの活動の中で優先度は高く設定
- 仕事:自分のスキルや個性をより活かせて、貢献度がより高いと感じるものを選択
- レジャー、交友関係:日々の喜びを実感するための時間の設定や予定の調整を実施
日によって、1つしか設定しないこともありますし、3つすべてに設定することもあります。このアイディアは自分の中で並行した進行が可能な重要な活動が複数あるときに有効と感じています。
実際に、それぞれの活動にハイライトがあると、達成感や充実感の高まりを活動毎に実感でき、例え朝一で最重要なハイライトをこなしてしまっても、残りの時間も有意義に過ごすことが出来ています。
欲張ってハイライトを設定し過ぎると、どれも中途半端になってしまうので、ハイライト間の優先順位付けや設定を絞ることが重要です。ここでも多忙中毒に注意が必要となります。
複数のハイライトのスケジューリングが難しいと感じる方は、1つ目のハイライトをこなした後で残りの時間でこなせそうなハイライトを設定する。もしくは朝、日中、夜などの時間ごとにハイライトを設定することで、現在何をするべき時間かを明確にしながら、重要な活動へ取り組む回数と時間の増加を狙えます。
終わりに
以上、「時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」」(ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー、櫻井祐子訳、ダイヤモンド社)を読んで重要と感じたポイントのまとめでした。
前回の記事では、私たちの時間を奪う主な2つの原因である「多忙中毒」と「無限の泉」を整理しました。そして今回は、自分のための時間を作るための4つのステップの内、重要な活動を特定する「HIGHLIGHT」と振り返りの「TUNING」の章を中心に重要なポイントをまとめました。
「HIGHLIGHT」の章では筆者らが採用している戦術が紹介されており、習慣に取り入れるための具体的なコツを学ぶことができます。また、「TUNING」の章では日々の振り返りのためのテンプレートも用意されているので、実際の活動に移す上で有用です。
今回細かく紹介できなかった集中を妨げる原因を消す「LASER」、脳のエネルギーを補充する「CHARGE」の章も、デバイスの使い方や生活習慣を含め幅広い視点から戦術を紹介していますので、自分に合う効果的なコツがきっと見つかるはずです!
忙しい現代社会で自分の時間を作り人生のコントロールを取り戻すため、自分の大事な活動を特定して、重要な活動を中心にスケジュールと習慣をデザインするという大事なアイディアと具体的なコツを学べる一冊となります。
「忙しい毎日で自分の時間の確保ができない」、「特に何も出来ずに日々が過ぎていってしまう」、「大事と考えている活動で成果が中々出せない」とお悩みの方は、是非手に取っていただきたい一冊です。
それではまた次の記事で!